ベネチア、日帰り観光客向けに入場料導入でオーバーツーリズム対策を開始
ベネチア、日帰り観光客向けに入場料導入でオーバーツーリズム対策を開始
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ベネチアの観光客多すぎ問題:水の都が抱える深刻な課題
美しい街並みと歴史ある文化で世界中を魅了するベネチア。
しかし、近年深刻化しているのが、観光客の増加によるオーバーツーリズムの問題です。
年間2500万人を超える観光客が訪れるベネチアは、その受け入れに限界を超え、街の存続を脅かす状況に直面しています。
問題の深刻さを示す3つのポイント
住民と観光客の数の不均衡: 2017年のデータでは、観光客は約500万人に対し、住民は約26万人。
観光客は年々増加している一方、住民は減少傾向にあります。
深刻化する環境への影響: 大型クルーズ船の増加による運河の汚染、ゴミ問題、騒音など、環境負荷が著しく悪化しています。
街の空洞化と住民生活の悪化: 家賃の高騰や観光客向けの商店の増加により、若者や地元住民が街を離れていくという現象が起きています。
ベネチア市が取り組む対策
深刻な状況を受け、ベネチア市は様々な対策に乗り出しています。
2023年9月: ユネスコから**「危機遺産」への指定勧告を受け、入域料徴収や観光客数の制限などの対策案を発表。
2024年春夏: 試験的に、日帰り観光客から1人あたり5ユーロの入域料を徴収。
その他: 大型クルーズ船の入港制限、観光客マナー啓発キャンペーン、ごみ処理体制の強化など
持続可能な観光を目指して
ベネチアの観光客多すぎ問題は、単なる観光地の問題ではなく、街の存続に関わる重要な課題です。
住民と観光客が共存できる持続可能な観光を実現するためには、様々な関係者による協力が不可欠です。