【宝塚】今年のタカラジェンヌの事件を文春記事から整理しました
【宝塚】今年のタカラジェンヌの事件を文春記事から整理しました
公演中止が相次ぐ大騒動に…タカラジェンヌたちの「熾烈すぎる競争」の深層(出典:現代ビジネス) |
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有愛きい(本名:井上奈美)、一禾あお(本名:井上茉美)、天彩峰里(本名:
3 名無しさん@花束いっぱい。 :2023/10/28(土) 14:55:30.47 ID:gHUMOUZi
「我々は最悪書かれた相手が自*る事も頭の片隅に置いて、それでも書く
僕たちは間違った事はしていない
*と言っている訳じゃないけど結果的に自*るんだったらしょうがない」871 名無しさん@花束いっぱい。 sage 2023/10/08(日) 18:53:44.39 ID:Nqw7eVZ7
神戸新聞に内容のない記事が出てたけど下のことが書いてあってせやろな
当時の内部調査に双方が事実関係を否定したと明*一方、「記事が出て生徒たちのメンタルがやられた」と影響の深刻さを語った。
2023.10.19このたびの弊団生徒の訃報につきまして、心より哀悼の意を表しますとともに、皆様にご心配をおかけしておりますこと、深くお詫び申し上げます。
また、宝塚大劇場の公演中止に関しましても、ご心配、ご迷惑をおかけしておりますこと、重ねてお詫び申し上げます。
現在、一部の方のSNS等において、特定の生徒に対する誹謗中傷が行われており、このような行為は、個人の尊厳やプライバシーを侵害し、生徒たちの心身を深く傷つけるものであり、断じて容認できるものではありません。
今後、このような行為で悪質と判断したものに対しましては、弊団として発信者情報開示請求に加え、刑事告訴や被害届の提出を含め然るべき法的措置により、毅然とした対応を取ってまいりますことをお伝え申し上げます。
お心当たりのある方は、速やかに書き込み等の削除などの御対応をしていただけますよう、また、どうかこのような行為は、お控えいただきますよう、改めて切にお願い申し上げます。
宝塚歌劇団
宝塚大劇場の楽屋には、大部屋に化粧机が3列ほど背中合わせに並んでおり、その突き当たりにアコーディオンカーテンで仕切られた幹部部屋があるという。
「星風は幹部部屋に呼び出され、真風と宙組の組長から『笑顔が可愛くない』『下膨れ顔』などと言われ、反省するよう1時間の正座を命じられたこともあります。朝食を食べていた星風に、真風シンパの下級生が『あんたデブのくせによくそんなもの食えるね。どんな神経してんの?』と言うこともあったそうです」(団員)
「トップスターの任期は概ね3年ほどですが、真風は5年以上も活躍し、人気も一番ある。また、トップスターの私設ファンクラブは大量にチケットを買ってくれる大口のお客様。真風の振る舞いは劇団プロデューサーも見て見ぬふりで、星風が直訴しなければそのままだったでしょう」(同前)
今年6月の退団を発表した真風。密かに胸をなでおろす下級生も少なくない。
まかずんすしまぷ「そうだねwww」
潤「しかも今日ここにキキさんもいらしてるのって奇跡じゃないですか!?宙組の絆こんなに深まっちゃってありがとうございます!!」
1/11 まかコン
かのちゃん「あのような形で取り上げて頂いて…」
ゆりかさん「取り上げて頂いて(笑)」
かのちゃん「宙組の絆はますます深まりました!!!本当にありがとうございます!!!!」
真風「私は何書かれてもいいけど、まどかは私の言葉をそんな風に受けとる子じゃないので、花組ファンの皆さんよろしくお願いします」
「これからもこうした記事は出てくるでしょうけど、その時は応援している生徒さんを信じてあげて」
ゆ「でも私たちでよかったねってかのとも話してたんだよね」
じ「キャイキャイ(聞き取れなかった)」
ゆ「そういえば触れられてなかったね」
じ「私全く触れられてなかったー!!!」
ゆ「まどかはあんなに怒られてる設定なのにこの人(モンスター)は…」
じゅんぱな「でもこんな事あってよかったですね!」
みんな「オイオイオイ」
じゅんぱな「あんなウソでますます絆が深まりましたァーーー!!!(空気入れの動き)」
みんな笑い崩れる
まか「さっきキキと楽屋で話したけど、退団したら、こうした問題で講演会とかやろうかと」
7月20日の新人公演の直前、その事件は起こった。
「天彩さんがAさんに指導する中で『舞台での前髪の作り方を教えてあげる』と言って、高温のヘアアイロンをAさんの額に押し付けたのです」(同前)
Aさんはあまりの熱さに嫌がったが、天彩はアイロンを当て続けたという。その結果、「Aさんは額にじゅくじゅくと水膨れになるほどのヤケドを負い、長い間、ミミズ腫れのような傷が残ってしまったんです」(同前)。
そんな状態で新人公演に挑んだAさん。
「メイクで隠していましたが、近くで見ると傷の部分がムラになっていて痛々しかった。役者にとって命と同じくらい大事な顔に傷をつけられたことでAさんはショックを受け、新人公演の時は精神状態がギリギリだったようです」(同前)
「一方の天彩は聞き取りに対し、『ひどい! 私、そんなことしません!』と主張したそうです。それで劇団は何事もなかったこととして済ませ、天彩はおとがめなし。この件はプロデューサーと演出家、制作部長は知っていますが、理事長にまでは報告されていません。さらに制作部長は『デコなら目立たへんから良かった』などとプロデューサーらに言い放っていたようです」(前出・内部関係者)
同公演では、真風・潤のトップコンビ、芹香・天彩の2番手コンビ、そして3番手コンビが舞台でデュエットダンスを舞う。時々、それぞれのペアが交替するのだが、他の娘役には笑顔で目を合わせて踊る芹香が、天彩の時だけ無表情になり、顔を見ようともしない。その不自然さはファンの間でも「怖かった」「たとえ不仲でも舞台で見せないで」などと話題になっていた。
「真風の卒業後は、芹香のトップスター就任がほぼ確定。しかし、芹香が天彩を嫌っているため、相手役のトップ娘役の候補として、花組の星空美咲や月組の彩(いろどり)みちるの名前が浮上している」(前出・内部関係者)
「宙組67人の中で歌唱、ダンス、芝居と3拍子揃った中堅どころ。とりわけ歌唱力に定評がありましたが、娘役にしては身長164センチと背が高いため『トップ娘役になるのは難しい』と言われていました。明るい性格で、下級生の面倒見も良かった」(同前)
宙組公演「PAGAD」が初日を迎えたのは、9月29日のこと。その日、有愛は普段と変わらぬ様子で舞台に立ったが、その翌日、彼女が宝塚大劇場に姿を現すことはなかった。
「劇場では『休演者』扱いになっていた。当日午後、『宝塚舞踊会』の稽古を終えた妹の一禾は事態を知り、その場で泣き崩れていました」(舞台関係者)
宝塚という舞台でスポットライトを浴びた約6年間。彼女の心を蝕み、死に追いやった魔物の正体は、いったい何なのか。
宝塚には、入団1~7年目の生徒だけで行う新人公演という舞台がある。本公演の期間中、各劇場1公演のみ若手が普段上級生がやる役を演じるのだ。ファンにとって次世代スターを見つける機会、若手にとっては将来の飛躍に繋がる檜舞台である。最年長の7年目として新人公演の宙組リーダーを任されたのが有愛だった。新人公演の演出は本公演を担当する演出家ではなく、演出助手が担当。多くの生徒が舞台上で輝けるよう配慮するのが通常の姿だった。ところが――。
「ここ数年は生徒たちがフォーメーションなどの演出を一部差配するのが慣例になっていた。彼女たちが演出に深く関わると、どうしても軋轢が生まれてしまう」(宝塚関係者)
演出をめぐり、有愛は次第に孤立を深めていく。
「下級生から『なんであの子があの位置なの。公平じゃない』などと突き上げを受けていました。宙組は、よく言えば自由闊達。悪く言えば、上下関係の規律が乏しい。まさに“学級崩壊”で彼女は板挟みになっていた」(同前)
実は、こうした言動は、宝塚の“お家芸”とも言えるものだ。小誌が入手した、宙組に所属する別の期の数十人の生徒が名を連ねるグループLINE。そこには、常軌を逸した“集団リンチ”の様子が克明に刻まれている。ある時は、稽古でミスを連発した下級生が集中砲火を浴び、〈まじでいい加減にしろよ〉〈お前、ぶっとばすぞ〉〈一刻も早く謝れよ〉というメッセージが深夜まで絶え間なく続く。下級生が〈すみません〉と謝罪しても〈許さねえから〉と拒絶。ほとぼりが冷めると、上級生は次の標的に狙いを定め、同じ言葉を投げかける。
「“お叱り”と称して、下級生を寮のロビーに呼び出し、深夜から朝6時まで拘束。一睡もさせてもらえず、6時半に劇場に行くこともあった。一度上級生のターゲットになれば、衣装は破かれ、小道具は隠される。小道具の担当者は、それらが隠されたり捨てられたりすることを想定し、多めに作っているほど。また、上級生に『メイクの仕方を教えてあげる』と言われ、目の中に白粉をねじ込まれた下級生もいます。ストレス性難聴や適応障害になり、通院している子も多い」(前出・宝塚関係者)
もっとも過酷なのは新人公演に向けた稽古だという。
「稽古は本公演の合間に深夜まで続く。生徒たちはちゃんと本番を迎えることができるのか、プレッシャーに晒されながら過ごしていますが、演出家や上級生に意見を言うことはできない。そんなことをすれば、干されるのがオチ。いくら努力しても演出家などの覚えがめでたくない子は役が与えられないのが宝塚なのです」(前出・舞台関係者)
有愛は体調不良を理由に、同年の秋冬公演「プロミセス、プロミセス」を全日程休演している。
「有愛が親族に相談し、親族が怒ってプロデューサーに話したことで劇団が知ることになったのです。ところが、有愛は泣きながら『天彩さんが怖いから大事にしたくない』と訴えた。さらに、天彩は『私、そんなことしません』と事実無根を主張したため、事件はなかったものとして蓋をされたのです」(同前。改めて劇団に問い合わせたところ「前髪づくりを手伝った際、『誤ってあたってしまった』と両当事者からの証言を得ております。『押し付けた』事実はありません」と回答)
小誌は今年2月9日号でこのイジメ疑惑を報じた。すると、有愛は「天彩さんに申し訳ないことをした」と話し、みずからを責めたという。実は、この一連の経緯にこそ宝塚の“病理”が横たわっているのだ。
「劇団は不都合な出来事は一切公表せず、口癖のように『事実無根』と繰り返して隠蔽。そのまま立ち消えになるのが、いつものパターンです。生徒たちは同期愛が強く、『同期が分かってくれているならいい』と耐え忍ぶ。大事にすると、プロデューサーや制作部長から干されてしまう。役が欲しい生徒たちは、宝塚ファンである親のためにも健気に耐えるしかない」(同前)
記事の掲載後、宝塚の体質などに疑問を抱いた有愛の同期生2人が退団。時を同じくして、有愛に降りかかる重圧は、物理的にも限界を超えていた。
「個々の演者の負担があまりに大きすぎます。公演中におしぼりが配られたのかを確認する『おしぼり表』や、音源の掛け方などを詳細に記入するマニュアルの作成から衣装、小道具の扱いに至るまで仕事は多岐にわたる。本来、演者は稽古時間を確保しなければいけない。それなのに、劇団はスタッフがやればいいことまで演者に丸投げなのです」(元劇団スタッフ)
多くの生徒が心身の不調を抱える中で、劇団は彼女たちの精神的なケアを行ってこなかった。有愛を知る別の同期生の母が嘆く。
「それでも歌劇団の世界しか知らない子たちは辞めることはできないんです。周囲からも『せっかく難関を突破したのに』と言われ、自分を追い詰めてしまう。劇団はそんな思いに付け込み、『不満があるなら辞めればいい』というスタンスを貫いています」
さらに木場理事長は翌日、「お客様にはご心配をおかけしておりますこと、深くお詫び申し上げます」という、わずか305文字の紋切り型のコメントを公表したのだった。
「不祥事などが起こると、みずから説明することはなく『報道が出たので』として声明文を発表するだけ。自ら矢面に立つことを嫌い、会見を開くことはありません。今年5月15日、『1789~バスティーユの恋人たち~』の取材会では、星組トップスターの礼真琴が『千秋楽から約2カ月の休養を取る』と、みずから発表。本来であれば理事長が会見で発表するべきで『生徒を全く守っていない』と非難囂々でした」(前出・宝塚関係者)
実は*前日、有愛は母に、こんなメッセージを送信している。
〈28日夜にはマンションから飛び降りることを決めていた。精神的に崩壊している……〉
彼女の母は、熱心な宝塚ファンだった。姉妹の活動を誰よりも応援し、二人三脚で俳優生活を支えた。母の隣には、漬物屋の経営者として何不自由なく育ててくれた寡黙な父がいた。
「お父さんはSNSなどでも家族のことを喧伝しないのですが、ある日、数人で食事をしたとき『娘が宝塚にいるんだ』と嬉しそうに話していたことが印象的でした」(別の知人)
10月2日、娘を亡くした母は関係者に対し、一通のメールを送信した。
「皆様のお気持ちは有り難く頂戴いたしますが、家族だけで見送ってやりたいと思っております。告別式は10時45分からです。今まで有り難うございました」
悲痛に満ちた家族の声を宝塚はどのように受け止めたのか。生徒の間で横行するパワハラ、精神的ケアの対策等について尋ねると、書面で次のように回答した。
「ご親族の心情ならびに弊団員の心身の状況を考えると、このような時期に、プライバシーも含めた質問に対して回答することは致しかねます」
103期をよく知る劇団関係者が憤りを隠さず言う。
「劇団は絆が深かった有愛さんの同期に対してすら、いまだ自殺の詳細を伝えていません。彼女たちは劇団に対して働き方の見直しや精神的ケアの必要性を訴える意見書を提出することを計画しています」
1人の俳優の死が、旧態依然とした劇団に大きな風穴を開けようとしている。
2023/10/11
「週刊文春」編集部
「マインドが足りない!」「噓つき野郎」「文春なんてどうでもいい」。先輩たちから罵声を浴びせられた彼女は2日後、自ら死を選んだ。小誌が2月に報じたイジメ問題を「事実無根」と断じて放置した宝塚は、自殺後に突如、説明を一変させた。
9月29日、宝塚大劇場で開幕した宙(そら)組公演「PAGAD(パガド)」。その舞台は、彼女が宝塚歌劇団に捧げた8年余の集大成になるはずだった。
稽古が始まったのは、8月15日。入団7年目の有愛(ありあ)きい(25)は、兵庫県宝塚市にある自宅マンションと宝塚大劇場を繋ぐ宝塚大橋を往復する日々を送っていた。だが、劇場の5階にある稽古場に足を踏み入れた多くの生徒たちは、間もなく宙組に漂う不協和音を肌で感じることになる。
「有愛さんは2人から『あんたが下級生をまとめないでどうするんだ!』と執拗に怒鳴られ、連日連夜、泣きながら謝り続けていました。あるときは廊下に連れ出され、周囲から遮断された空間で叱責されていた」
彼女がみずから命を絶ったのは、それから約1カ月半後の9月30日。自宅マンションの18階から視線を落とすと、武庫川を挟み、宝塚大劇場の屋根が見える。彼女は劇団の聖地に向かって身を投じたのだ。
若きタカラジェンヌが自死を遂げてから1週間後の10月7日。宝塚歌劇団の木場健之(こばけんし)理事長が初めてメディアの前に姿を現し、「大切な仲間の命が失われ、極めて厳粛に受け止めています」と述べた。宙組公演は休演となり、10月8日までの予定だった休演期間が22日まで延長された。
宝塚歌劇団の木場健之理事長
「会見では、外部の弁護士らで構成された調査チームが宙組の六十数人から聞き取りを行い、自殺の経緯を調べると発表した。自殺の翌日、木場理事長は『宝塚舞踊会』の開演前に観客に対して『詳細は公表しません』と発言。劇団は『お客様にはご心配をおかけし、深くお詫びします』とコメントするのみ。隠蔽体質に批判の声が殺到し、今回ようやく重い腰を上げた格好です」(スポーツ紙記者)
小誌は前号で「宝塚宙組娘役(25)を自殺に追いつめた罵声、隠蔽、板挟み」と題し、有愛が受けていたイジメの実態や、それらを隠蔽する劇団の歪な構造について報じた。その後、小誌には有愛を知る宙組の生徒たちを含む内部の関係者からの情報提供が相次いだ。十数人の告発によって克明に浮かび上がったのは、彼女を死に追いやった魔物の正体である。
「マインドがないのか!」
通し舞台稽古のため、楽屋入りしたのは午前10時のこと。だが、そこで繰り広げられたのは、下級生らが思わず目を背けたくなる暴力的な光景だった。
「稽古中、有愛さんは4人の上級生から『下級生の不手際は、すべてお前の責任だ』と“集団リンチ”のような目に遭っていました。舞台袖の出番直前にも彼女たちが有愛さんに執拗につきまとって大声を出す。休憩中にも、代わる代わる延々と詰め寄られていました」(前出・生徒)
詰め寄った4人のうち1人は、宙組最年長の松風だ。
「マインドが足りない。マインドがないのか!」
有愛に顔を近付け、何度も罵声を浴びせる。休憩時間には芹香が有愛を睨め上げ、若手の態度について大声で罵る。続いて新人公演で有愛が演じる役を本公演で担当する花菱(はなびし)りずの怒鳴り声が教室内に響き渡る。
「この嘘つきが!」
殿(しんがり)に控えていたのは、元プロ野球選手の清原和博の親戚として知られ、ファンから「きよ」の愛称で呼ばれる優希しおんだ。彼女は花菱と歩調を合わせるように「嘘つき野郎!」と面罵。有愛を監視し、プレッシャーを与え続ける役割だった。この場に居合わせた劇団関係者が言葉を続ける。
「花菱が怒鳴った後は、必ず優希が便乗して有愛を怒鳴りつける。優希は陰湿な下級生イジメの常習者で下級生は皆恐れています。花菱はあえて優希を有愛に当て付け、叱るように仕向けているように見えました」
カーテンの向こうには、下級生の化粧前がある。おのずと耳に入ってくる芹香の罵倒に慄いた彼女たちは皆、目を伏せた――。
「なんで、あんたが泣いてんの!」
小誌が「宝塚イジメ新疑惑 ヘアアイロンで後輩の顔をヤケドさせたトップ娘役候補」と題した記事を掲載したのは今年2月2日発売号。21年夏の宙組公演「シャーロック・ホームズ -The Game Is Afoot!-」の新人公演に際し、有愛は娘役の2番手だった天彩峰里(あまいろみねり)に教えを請うていた。ところが、ある日、高温のヘアアイロンを額に押し付けられ、火傷を負ったというのだ。小誌は今年1月30日、このトラブルについて劇団に事実確認を求める取材趣意書を送付。劇団は「全くの事実無根です」と回答し、事案自体の存在すら否定した。だが、10月7日の記者会見で小誌の報道について問われた木場理事長は、一転して事案を認め、次のように語った。
「上級生から下級生に髪形のアドバイスをするということはよくあることで、教えている際に誤って当たったことがあるというのは両方から聞いている」
劇団の回答は「事実無根」から「故意ではなかった」と大きく後退。木場理事長は事実の裏付けとして当事者2人から聞き取りを行い、「周りの人々にも聞いております」と言う。だが、その場に居合わせた複数の生徒や劇団関係者の証言から見えてくるのは、陰湿なイジメに他ならない。
有愛の知人が言う。
「芹香さんから『有愛に前髪を教えてあげて』と言われたからさ」
「でも、ヘアセットは自分でやります」
ロッカー室に連れて行かれた後、しばらくして有愛は下級生のいる楽屋に戻る。だが、彼女たちは有愛の額を一瞥し、目を剥いた。3センチほど赤く、皮膚が捲(めく)れていたのだ。その場に居合わせた下級生が当時の様子を打ち明ける。
「あまりに痛々しかったので、たくさんの生徒が心配して集まり、『どうしたんですか』と声を掛けていました。有愛さんは涙を堪えて『自分でアイロンをすると言ったのに奪われて、押し当てられた』と。火傷を負わせた天彩さんは、痛がっている有愛さんを部屋に残して退室したそう。彼女はナースが常駐している劇場内の診療所へ塗り薬をもらいに行っていました。数日後、患部は黒ずみ、かさぶたになっていました」
下級生の多くは、日常的に繰り返された天彩の虐待行為を鮮明に記憶している。
「当時、天彩さんは出番直前まで有愛さんに怒鳴り散らしていました。そればかりでなく、新人公演の髪飾り、カツラ、アクセサリーなどを何度も作り直すように命令。夜通し作業をさせ、寝不足で声が出なくなるように仕向けていたのです。有愛さんは次第にボロボロになり、多くの仲間が心配していました」(同前)
その延長線上に起こったのが、ヘアアイロンを巡る事件だったのだ。果たして、有愛の額にできた傷跡は過失によるものなのか。火傷の症例を多く診てきた東京メディカルクリニック平和台駅前院の木島豪院長が次のように解説する。
「ヘアアイロンが130~160度と仮定すると、体の他の部位と比べて皮膚の薄い額であっても、2~3秒程度押し付けないと皮が捲れるほどの火傷にはなりません。当院にも『ヘアアイロンが当たってしまった』という火傷に関する受診はありますが、大体Ⅰ度。彼女のようなⅡ度の火傷は『たまたま当たってしまった』というレベルではありません」(同前)
小誌の発売日翌日である2月3日。さらに有愛を奈落の底に突き落とす出来事が起こる。幹部部屋に呼ばれた有愛を待ち受けていたのは、組長(当時)の寿(ことぶき)つかさ、トップスター(当時)の真風涼帆(まかぜすずほ)、松風、そして芹香。化粧前に陣取った4人は眉間に縦皺を刻み、代わる代わる有愛を罵った。
「下級生の多くが目撃しているにもかかわらず『イジメじゃないよね。わざとじゃないよね』と繰り返し確認。事実を捻じ曲げるように延々と圧力をかけ続けていました」(前出・下級生)
その後、天彩と有愛を含む宙組の生徒が集められ、話し合いの場が設けられる。それは、さながら“糾弾会”のようだった。
「真風さん、芹香さん、天彩さんが口々に『この記事は事実無根』と主張することで有愛さんに全責任があるという結論になりました。天彩さんは、あたかも自分が被害者のように号泣。上級生が肩を擦って慰めていました」(同前)
終盤、その場を取り仕切っていた真風が口角を上げ、腹の底から声を張り上げる。
「まるで白々しい茶番劇を見ているようでした。しかも、その間、有愛さん本人には一切の発言が許されなかった」(前出・下級生)
終了後、有愛は過呼吸になり、1人廊下で泣き崩れた。そこに芹香が通りかかり、顔を至近距離まで近付け、言葉の牙を向ける。
「なんで、あんたが泣いてんの!」
芹香を始め、宙組の上級生の多くが有愛本人を小誌の情報源であると決めつけた発言をしているという。だが、それこそ「事実無根」である。
一連の経緯から浮き彫りになるのは「清く正しく美しく」に囚われた劇団と、閉鎖集団の中で我を忘れた上級生たちの姿だ。前出の生徒が悲嘆に暮れて言う。
「この組織の中にいると、事実が真反対の結論になる。この世界の本当の恐ろしさが身に沁みてわかりました。実際、この出来事を境にして、もともと有愛さんを庇っていた組子も戦う気力を失い、有愛さんは次第に孤立していったのです」
有愛を庇っていた2人の同期生は、芹香らから幹部部屋という“伏魔殿”で痛罵を浴びせられ、相次いで退団した。理解者を失った有愛は、周囲に「もう辞めたい」「死にたい」と漏らすようになる。
4人の上級生から総攻撃を受けたのは9月28日。その翌日の29日、初日公演が幕を開けた。
「有愛さんは舞台化粧をする間もないほど忙しく、上級生から下級生の粗相について怒られていました。いつもは細かく綺麗に化粧を施すのに、その日は大雑把に塗っただけ。公演後、新人公演のメンバーで集まった際にはやつれた表情を浮かべ、話しかけられないほどでした。その一方で、気力を振り絞り、新人公演のヒロインに優しく丁寧に歌を教えていた」
会見で木場理事長は「亡くなる前に様子がおかしいなどはなかったか」という記者の質問に対し、「いつもと変わらなかったと聞いている」と発言。*直前の変化すら覚知できない管理体制であれば、それ自体批判を免れまい。
その日、有愛は泣き腫らした顔で大劇場を後にする。時計の針は、夜10時をとうに過ぎていた。こうしてなんとか初日公演を乗り切った有愛は同日、母に対し〈精神的に崩壊している〉というメッセージを送っている。
公演2日目の30日。本公演が終わった後の夜8時からは新人公演の稽古がスタートする予定だった。しかし、彼女が宝塚大橋を渡ることはなかった。
同日午前、劇団が有愛を「休演者」として発表すると、芹香ら上級生は「代役はどうする」「本当に迷惑だ」と口々に言い合った。その場で上級生の1人がLINE電話をかける。通話の相手は、有愛の妹で雪組に所属する一禾(いちか)あお。スピーカー機能を使って「有愛は何してるの。復帰は!」と詰問する様子を複数の下級生が目にしている。
「休みたい人がいるなら、できる人だけでやればいいじゃない!」
この時、芹香はパニックに陥る下級生に「さぁ頑張ろう」と発言している。
「今回の宙組公演は芹香さんのトップ披露公演。みずからやり遂げたい思いが強く、生徒たちを発奮させるために言ったようですが、28日に怒鳴り散らした様を見ていた生徒たちは『自分の言葉が自殺の引き金になった可能性を自覚していないのか』と唖然としていた」(前出・劇団関係者)
自殺の翌々日、一堂に会した上級生たちは「早く公演を再開させたい」という意見で一致したという。
「10年近く、劇団は業績ばかりを追い求め、生徒にチケットの販売の責任を押し付けてきた。親会社の阪急阪神東宝グループから天下りしてきた総務部長と制作部長は『代役を立ててでも休演はするな』という考え。利益優先のあまり、生徒たちの精神的ケアを長年怠ってきたのです。芹香さんだって、そういったプレッシャーの中で精神的に限界に達していました」
今回の宙組公演に際し、芹香は有愛に対し「あんたがリークした文春のことがあったから宙組はチケットが売れなくて困っているのよ」と責任転嫁するなど、焦りを見せていた。
これまで小誌は宝塚におけるイジメやパワハラを再三報じてきた。しかし、その度に不祥事を隠蔽し、外部からの指摘に対しては「事実無根」で貫き通す。宝塚では内情を外に漏らすのは「外部漏らし」と忌み嫌われ、親兄弟に話すことも許されない。ネガティブな記事が掲載された日には、「外部漏らし」の犯人探しが執拗に行われる。劇団はこうした負の“行動様式”を変えずに令和の時代に足を踏み入れた。だが、自らを顧みることなく同じ轍を踏み続けた結果、悲劇の連鎖を招いてしまった。有愛を知る同期生の父が、嘆息しながら言う。
「有愛さんに対して『*くらいなら逃げれば良かったのに』と簡単に言うけど、逃げることすらできないほど精神的に追い込まれていたのでしょう。劇団は隠すばかりでなく、事実はしっかりと認めて、今後どうするのかを示すべきです」
有愛の死によって暴かれたのは、110年の伝統に胡座をかいた劇団の底知れない“翳(かげ)”の一面だった。
「目下、宙組では数十人単位の退団希望者が出ており、収拾が付かない事態になっている。『調査チームの聞き取りに対応するのも心理的に辛い。辞めさせてほしい』という生徒も少なくない」(前出・宝塚関係者)
「素敵な笑顔で周りを明るくし、優しく下級生全員に気を配っていただきました。舞台に対する熱い気持ちを人一倍お持ちで、下級生の士気を上げ、引っ張ってくださいました」
こうした声すらも宝塚は放置し、また隠蔽するのか。
そんな言葉で綴られた1通のメッセージは、次のように結ばれていた。
「劇団は、生徒全員へのフォローを何もしてくれません。まるで馬車馬のように私たちを働かせてきました。あの事件後、私たちは公演のお稽古に向き合う気持ちになれずにいます」
小誌に悲痛な心境を吐露したのは、宝塚歌劇団所属の現役メンバーの1人だ。
発売後、さらに小誌には情報提供が相次いだ。冒頭のメッセージはその1つである。一方、劇団は有愛の死を受け、宙組公演を10月22日まで中止することを発表した。その間、外部の弁護士らで構成された調査チームが宙組の六十数人に聞き取りを行い、自殺の経緯を調べるという。だが、生徒たちからは疑問の声が噴出している。
「彼女は下級生に片っ端から電話を入れて鼓舞していましたが、新人公演メンバーからは『今回の件を招いた上級生と顔を合わすのは無理だ』『公演を続ける気になれない』という声が相次いでいます」(同前)
生徒たちが抱える動揺は他組にも伝播している。
「10月7日の記者会見直前、木場健之(こばけんし)歌劇団理事長が月組の稽古場で説明を行ったのですが、遺族の意向を理由に詳細な説明はなかった。にもかかわらず『週刊誌対策として専門のコンサル会社と連携した』と語るなど、支離滅裂な内容でした」(劇団関係者)
木場氏は会見で「1人ひとりの心のケアなどにも時間をかけ、生徒の心情に寄り添ってまいります」と語ったが、劇団の内情とあまりに乖離している。
「例えば、全組子について劇団は『いのちの電話』の番号を通知するのみ。カウンセラーが常駐するわけではなく、以前と変わらず産業医がいるだけ。『精神的にしんどい生徒は自分で電話してメンタルクリニックを受診するように』と言われています」(同前)
現在、宙組の退団希望者は全体の半数に近い三十数人に及ぶという。劇団は、なぜ“冷たく虚しい場所”に成り果てたのか。
約5年前、宝塚音楽学校の予科生だったA子さんを襲った出来事について打ち明けるのは、バレエ業界に身を置く彼女の知人である。
「中学時代の彼女は、当時通っていた80人いるスクール生の中でも、ずば抜けてキラキラ感があった。顔が小さくて手足は長く、男役としての将来性を感じました。受け答えの際の言葉の選び方1つとっても非常に賢く、先生たちは『この子は1発で合格するな』と確信していました」
2018年、倍率24.1倍という狭き門を突破したA子さんは、夢の舞台への第一歩を踏み出す。同年4月17日、106期生40人の1人としてグレーの制服に身を包んだ彼女は、不安と期待が入り混じった表情で入学式に臨んだ。
それから1カ月余が経った5月27日。この日、宝塚大劇場の正面ゲートでは、ファンの間で新入生の初お披露目とも言われる「すみれ募金」が行われた。だが、A子さんの表情を見た知人は違和感を抱いたという。
「1カ月ぶりに見た彼女はキラキラ感が失われ、顔色が悪いように見えた。実は、この時点で彼女の心は折れかけていたのです」
彼女の身に、一体何が降り掛かったのか。
元劇団スタッフが明*。
「イジメられた予科生が1年後に本科生になれば、今度は予科生をイジメる側になる。タカラジェンヌは全員が被害者であり、同時に加害者なのです」
寮内にある談話室で行われるミーティングは、本科生が予科生を叱りつける場だ。それは時に8時間に及ぶこともあった。こうした合理的根拠のない本科生の“指導”を受けたA子さんは、次第に追い詰められていく。ぎっしりと規則正しい文字が書かれたコクヨのノート。B子さんは彼女に対し、日々謝罪文を書くことを“強要”していた。
「例えば『教室の電気を切る順番を間違えてしまいました』という文句を1ページ30行、同じことを書かされ続けるのです。睡眠時間を削って書き続け、翌朝B子さんに提出。ところが、彼女は人一倍賢い子だったので“すみれ色”に染まらず『この世界はおかしい』と思い詰めてしまったのです」(前出・知人)
校長代行が「口外しないように」
地上7階建ての「すみれ寮」の1階には、広大な稽古場がある。そのため天井が高く、A子さんが飛び降りた2階のバルコニーは、地上8メートルを優に超える。全身を強く打った彼女は、兵庫県内の病院の集中治療室に搬送された。診断の結果は、全治3週間の全身打撲。だが、この出来事は学校内で巧妙に秘され、その後すぐに通常通りのレッスンが行われた。
「事件翌日、伊木常雄校長代行が寮生を集めて『口外しないように』という趣旨の指示を出した」(同前)
「A子さんの両親は第三者委員会を設置して原因を解明すると共に、保護者会を開催して広く事実を公表することを強く求めていた。しかし、学校側は、調査に対して消極的な姿勢を崩さなかった」
学校側に保管されている音声メモ。そこには、伊木氏がA子さんの両親に対し、次のように語るシーンが収められている。
「白鳥が美しい姿を保つために水面下でやっているバタバタを、あえて見せるべきではない。今の段階でマスコミに知られるというのは、どう考えてもいい結果を生まないと思います」
それに対し、A子さんの父は次のように反駁する。
「白鳥の例えは、全く当てはまりません。美しい姿を保つために下足をバタバタさせるのは劇団員の努力であって当然必要なことだ。今回の件は、パワーハラスメントです」
三度目の協議が行われたのは、同年11月11日のこと。ホテルの会議室の席に座ったのは「創遊事業本部創遊統括部長」という肩書の人物だった。
「劇団を運営する阪急電鉄からトラブルシューターとして送り込まれたのが、当時、同社幹部だった木場理事長だった」(前出・学校関係者)
その日、木場氏とともに前出の伊木氏、事務長の堀内直哉氏、木場氏の部下である創遊統括部課長の竹上直子氏が居並んだ。その席で再発防止のためにも保護者会を開催すべきだと再三求めたA子さんの父に対し、木場氏は拒否。学校側からの「謝罪ノートの廃止」などの改革案を提示し、次のように述べたのだ。
「我々としては本当にできることはやってきておりますし、今後も信念を持って改革というのをきちんとやっていきたいと思っております。本当に抜本的にゼロベースで見直して取り組んでいくということ」
だが、彼らは最後までB子さんの言動をパワハラと認定せず、「行き過ぎた指導」という表現に終始した。さらに、学校側がA子さんの家族に詳細な調査結果を示すこともなかった。
――2018年、伊木さんが校長代行だった時、バルコニーからA子さんが飛び降りる事件が起きた。
「はい。覚えていますよ」
――計3回、話し合いの場を持ったのは事実か。
「そうですね。学校のほうでちゃんと対応して、親御さんとも話をするようにしていましたからね」
――謝罪はあったのか。
「それは『管理が不十分で、そういう目に遭わせてしまって……』と言うことで、ちゃんと親御さんに直接お会いして謝罪はしました」
――両親は保護者会や第三者による調査を求めていたが、実現していない?
「第三者の(調査)は……ないですね」
――A子さんはその年の暮れに寮を出ているが、伊木さんはどのような言葉をかけた?
「『いろいろ辛い思いをさせて申し訳なかったです』という謝罪。親御さんにも本人にももちろん言いましたし、『また新しい道をちゃんと頑張って歩む』という彼女の言葉もありましたんでね。だから、私からは『まだ若いし、新しい気持ちになって頑張ってほしい』という激励はしたと思います」
――その後、見舞金の交渉で弁護士を立てたが、解決に至っていない?
「それはもう……私が与り知らぬことで、あとは親御さんがどんなふうに思ってはるかというだけの話だと思いますね」
――そういうことが起こるサインは見抜けなかった?
「それは人それぞれなので。あの……その人のメンタルの強さとかもありますし」
――保護者会は、なぜ開かなかったのか。
「私、生徒課長といっても大した地位でもありませんし、もうちょっと上の方に聞いてもらわないと」
――B子さんの厳しい指導があったと聞いている。
「それは特別そういうことはないですね」
――調査をされた上でそう結論づけた?
「そうです」
当時、公表しなかった理由については「ご本人のこれからの人生やプライバシーを守るため、公表はいたしませんでした」。謝罪の有無については言及を避け、見舞金について「現在、弁護士を代理人に選定して、ご両親と協議中」とした。
他方、A子さんの父に取材を申し込むと「あの出来事について私の口からは語ることはできません」と口を噤む。だが、今回の有愛が辿った悲劇に話題を移すと、重い口を開いた。
「1つ言えることは、宝塚の隠蔽体質は当時から何一つ変わっていないということです」
さらに、学校側の幹部が異口同音に「謝罪した」と述べていることを告げると、次のように否定するのだ。
「退寮のために宝塚に出向いた日は、正式な謝罪の場ではありませんでした。その場には、再三求めてきたB子さんも同席していません。彼らが『謝罪した』と主張することに違和感を覚えます」
来年、創立110周年の記念すべき年を迎える宝塚歌劇団。厳かな伝統より、ファンの喝采より、真に大切なもの。それは生徒たちの命と尊厳を守ることではなかっただろうか。
https://bunshun.jp/denshiban/articles/b7212
宝塚同期生の涙の訴え音声入手 「もう少し真剣にとらえて……」《真相追及第4弾》タカラジェンヌ飛び降り事件
10月上旬、宝塚大劇場の5階にある稽古場は冷たい熱気に包まれていた。六十数人の月組生が集まり、視線を交わす。その序盤、口火を切った下級生は時に言葉を詰まらせ、震える声で上級生に訴えかけた。
「同期を代表して話をするんですけど、組長さんが仰ったように、改善していくチャンスだから。そのために今日集まっていると思っていたんですね。今回の件に関しては、同期の子が亡くなってしまったので、私も少し重いとは思うんですけど、あまりにも“温度差”が違うというか……。そのことに私はすごくショックで。もう少し真剣にとらえてないのかなって、正直思っちゃったんですね」
周囲の生徒たちのすすり泣きは、次第に大きくなっていった――。
宝塚歌劇団の宙(そら)組に所属する有愛(ありあ)きい(享年25)が自死を遂げたのは、9月30日のことだ。その直後から劇団の迷走は始まる。
「劇団が宝塚署からの連絡で自殺という確固たる情報を得たのは午後2時過ぎ。にもかかわらず、生徒たちに情報を伏せ(有愛を)『休演者』として発表し、同日3時半に開幕する公演を強行した。その日は、阪急交通社の貸切公演。司会として宙組の元組長である寿つかさを東京から呼んでいました。有愛さんが亡くなったことを生徒たちに告げたのは公演後。複数の生徒が倒れるほどショックを受けていました」(宝塚関係者)
記事の張り付けにしても何年間も残る5ちゃんに氏名伏せないとか人権侵害だよ
5ちゃん民による第二被害
「宙組の生徒が1名亡くなるという事態になりました。ご家族の強いご希望がございまして、我々も皆さんに速やかにお伝えすることができず、また外に向かっても十分な公表ということができない状況でございます。一方、警察から情報の提供があり、マスコミに当日の夕方から情報が出始めたということでございました。我々としてはそこで後手後手に回ってしまいました」
木場氏が「有愛きい」という個人名を発することは一度もなかった。次に口を開いたのは組長の梨花(りか)ますみ。女優の真矢みき、黒木瞳の同期である梨花は月組の最年長のご意見番である。
「怒られて育っている人たちが多いですよね。怒られないで育ってくると、急にここに入って何かを言われるとすごくそれに反応しづらい。恐怖に思ってしまう人たちがいると思うんだ」
梨花は「排除」という言葉を口にする。
「私たちの時にはなかった規則が今はあったり。変えていくべきことは変えていかないといけない。組として必要じゃないものを全て排除していきたいんです」
そして、上級生から下級生への“叱責”について次のように述べる。
「自分が言われたときに『こういう言い方されて嫌だったな』と思うことは、下(下級生)にもしないほうがいいし。間違ったら間違った本人が悪いんです。上級生の教え方が悪いかもしれないけれど、間違った本人が悪い。何でも全部教えてもらうんじゃなくて、自分たちで考えることをして、自分たちでちゃんと行動をできるようになってほしい」
梨花が下級生に意見を促すと、1人の生徒が沈黙を破る。39人いる有愛の同期生の1人である。冒頭のシーンに続き、彼女は次のように言葉を紡いだ。
「本当に同期生だったりとか生徒たちっていうのはすごいショックでした。でも、“温度差”があるのは仕方がないと思うんだ。他人事じゃないと思う。もしかして自分がすごく悩んでいたとしたらって思うと、他人事じゃないなって思うし」
説明会の終了後、有愛を知る生徒たちから「しんどい」「私もちょっと信じられないと思っちゃった」という声が漏れる。大きなショックを受ける下級生と「間違った本人が悪い」「自分で行動できるように」と前向きに語る上級生の温度差が広がっていた。
劇団関係者が振り返る。
「理事長の説明は、後の記者会見で話した内容とほとんど同じ。まるでカンペを読み上げているようでした。終了後、稽古場で鼻をすすった生徒たちが『気持ち悪い』『ちょっと嫌だった』と本音を口にし、トイレに駆け込んでいました」
その後、劇団はもくろむ“行程表”とは程遠い道を歩むのだった。
10月19日朝10時。雪組、花組の生徒らが宝塚大劇場の稽古場に集まり、組の垣根を超えた「劇団レッスン」の準備を行っていた。
「おはようございます!」
稽古場に一際張りのある声が轟く。前列右側の定位置に陣取ったのは、宙組トップスターの芹香斗亜(せりかとあ)。彼女は笑みを湛え、宙組の生徒たちに「今日も頑張ろうね!」と、ガッツポーズを何度も繰り出す。
この日、他組の生徒たちは、何事もなかったように破顔する芹香を一瞥し、薄ら寒い思いを抱いたという。
「宙組生たちは、そんな芹香さんに媚びへつらい、常に顔色を窺っていました」(他組の生徒)
有愛の*2日前。新人公演を取り仕切る役割を担った彼女を睨(ね)め上げ、下級生の態度について「マインドが足りない!」と罵倒したのは芹香や組長の松風輝(まつかぜあきら)だった。
「芹香は事件後も一貫して『公演を続けたい』と主張しています。彼女は『17年間やってきて、もう一度羽根を背負って舞台に立ちたいねん』と。ところが、下級生たちは『今回の件を招いた上級生と顔を合わすのは無理だ』という考え。いわば分断状態なのです」
下級生たちは有愛に降りかかったパワハラ、イジメの一部始終をつぶさに見てきたが、今まで明るみに出ることのなかった悪夢のような一風景がある。
今年4月以降、新型コロナウイルスの新規患者数は全国的に増え続け、5類に移行後も11週連続で増加の一途を辿っていた。折しも劇団内に多数の感染者が出て、6月以降、星組公演や月組公演の一部が休演に追い込まれる。そんな中、7月23日に東京建物 Brillia HALLで幕を開けたのが、新トップコンビの芹香と春乃さくらのお披露目となった宙組公演「Xcalibur エクスカリバー」。宙組はコロナ禍を乗り切り、完走を果たす。
「実は、7月下旬に芹香さんがコロナに感染したことを皮切りに、体調不良者が続出していた。しかし、松風さんが『劇団にも外部にも絶対言うな。劇団の診療所ではなく各自で病院を探して行け』と下級生に命じていたのです。結局、約半数の生徒の陽性が確認されたのですが、松風さんは『体調が悪くても出ろ』と強行突破し、出演させていました」(宙組関係者)
中には、39度の高熱が出たまま舞台に立たされ続けた生徒もいたという。
「稽古・公演期間中に体調不良の訴えがあった者には、必要に応じて検査を行い、適切に対応しておりました。約半数の生徒の陽性が確認された事実はなく、組長が記載のような発言をした事実もありません」
だが、前出の宙組関係者はこう反論するのだ。
「宙組の生徒は『休んだらキキさん(芹香のこと)や組長から何を言われるかわからない』と嘆き、その圧力で劇団には本当のことを言えなかった。(今年5月8日に)『5類感染症』に移行して以降、劇団は体調不良の自己申告があった場合に検査を行うのみ。申告しなければ、いくらでも誤魔化すことができた」
こうした出来事が重なり、有愛を含む下級生は次第に追い込まれていったのだ。
そして劇団は有愛の死を受け、事件から1カ月が経とうとする現在も迷走を続けている。当初、10月22日まで宙組公演を休演し、その期間中に第三者の弁護士による調査の完了を目指すとしていたが、調査期間の延期を発表。別の宙組関係者が後手に回った木場氏の対応に首を傾げる。
「今でこそ聴取時間は希望すれば2時間前後の場合もありますが、木場氏は当初、宙組の生徒たちに対し『調査は1人30分で行います』という趣旨の発言をしていました。2週間足らずで形だけの調査をするという意図が透けて見える言動に、非難が殺到しました」
1人たった30分ですべての調査を終わらせようとするなど傲岸不遜の誹りは免れまい。
現在、宙組以外の生徒に対しては、主にプロデューサーが聞き取りを行っているが、多くの生徒から異論が出ている。
「その席でプロデューサーから『悩みはないか』と聞かれましたが、配役などに影響力を持つプロデューサーに対し、上級生や劇団の理不尽なことも話していいのか。しかも、理事長や組長が同席することもある。下級生たちの多くは圧力を感じ、『形ばかりのヒアリングだろう』と話しています」(雪組の生徒)
「私たちの頃は『シメ』『セレモニー』と呼ばれる同様の“指導”がありました。時には何十人もに囲まれ、人格を否定するようなことを大声で言われる。まさに罵詈雑言の集中砲火。また、私たちの時代でも『外部漏らし』はご法度で(劇団内のことは)親にも言ってはいけなかった。悩みを人に相談するという発想自体がありませんでした」
劇団の構造的な問題について次のように指摘する。
「劇団には連綿と受け継がれてきた暴力の構造があり、演出や踊りの先生も『やめなさい』と止めることはない。いわば共犯関係。トップスターを含め、誰しも被害者であり加害者なのです。私自身も加害者であり後輩を怒鳴りつけていました。作品はそうした暴力構造の中で作られています」
実は、芹香も例外ではない。暴力構造の渦中に身を置き、イジメの連鎖を経験しているのだ。今年6月11日付で退団した前トップスターの真風涼帆(まかぜすずほ)の後任として、芹香が次期トップに就くことが発表されたのは、2月7日のことだ。
「個別のイジメ行為があったかどうかを調査しても劇団は何も変わりません。根本となる暴力構造を断ち切らないといけないでしょう。一人一人が『あの厳しさがあったからスターになれた』と過去の言動を肯定して美化するのではなく、加害性に向き合うことが大切です」
現在、劇団のスポンサーには、伊藤園、NTT西日本、Visaなどが名を連ねている。東氏が着目するのは、こうしたスポンサー企業の動向だ。
「生徒の人権が守られていない劇団に対してスポンサードすることは果たして適切なのか。ジャニーズの性加害問題と同様に、スポンサー企業はこの問題を黙認してはいけないと思います。もはや外圧によって変えていくしかないでしょう」
現在進行形で行われている調査について劇団に尋ねると、木場氏が調査時間を「30分」と発言していたことを認め、次のように付け加えた。
「時間の制約を意図しての発言ではなく、自由に答えてほしい旨を伝えております。実際のヒアリングは各生徒の状況・要望に応じて、十分な時間をかけて実施していると聞いています」
宙組の退団希望者は30人以上に及ぶ。劇団幹部は、この非常事態に際し、「退団希望者でもう1組作って全体で6組にすればええやん」と口にしているという。だが、現役タカラジェンヌの1人は一縷の希望を口にする。
「有愛さんの大切な命が新しい光を宝塚にもたらして下さると信じています」
劇団は今、瓦解から再生への転換期を迎えている。
SOURCE : 週間文春2023年11月2日号
「このような辛い、厳しい状況でございますが、どんな時も待ってくださってるお客さんのために公演をお届けするのが我々の使命だと思いますので、亡くなった生徒の思い、これまで宝塚歌劇に携ってくださった全ての方の思いも受け継ぎながら、やっぱりまずはみんなで共に、前を向いて進んでいきたいと思っております。
今、SNSとかでいろんな情報が飛び交っておりまして、見るに耐えない誹謗中傷とかいろんな情報が出回っております。
週刊誌も出始めておりまして、その辺の対策につきましても、専門のコンサル会社と連携をいたしまして、生徒の皆さんを守る対応を取っているところでございます。
特に出版社になると、表現の自由があってなかなか対応が難しいところはあるんですけども、それでもやっぱり我々は生徒の皆さん、そして宝塚歌劇を守っていきたいと思っておりますので、そこもしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
我々も本当にすごく混乱の中で仕事しておりまして、なかなか現実に追いついてないところもあるんですけれども、皆さんの心情に寄り添って、皆さんが誇りを持って人生を預けていただける劇団であり続けるよう、精一杯努めておりますので…」
下級生だから言っちゃいけないとも思っていないし、何かあるんであれば言いに来てほしいなと思ってます。
「怒られて育っている人たちが多いですよね。怒られながら育った。でも、怒られ慣れて育っていない人との違いってやっぱりあると思うし、怒られないで育ってくると急にここに入って、何かを言われるとすごくそれに反応しづらいというか、恐怖に思ってしまう人たちがいると思うんだ。だからその、学年ごとに色々違うと思うし、音楽学校も私たちの時、上級生の時、また下級生の今のやり方も全然違うと思う。色んな規則も、私たちの時にはなかった規則が今はあったりとか、無くしたのにまた変な規則ができたっていうのもいっぱいあると思うの。それは、変えていくべきことはやっぱり変えていかなきゃいけない」
「組として必要なもの、必要じゃないもの。今までやってきて変に作ってしまっているものというのを全て排除していきたいんです、要らないものは。本当に必要なものだけをちゃんと守っていく。舞台人としてちゃんとやらなきゃいけないこと、礼儀であったりというのは当たり前のこと。そういうことは守っていくけどそれ以外のことに関しては、本当に要らないものを無くしていくために、皆さんと話をちゃんとして。新たにちゃんと初舞台生に教えるために、皆さんの意見をちゃんと聞きつつ作っていって」
「間違ったら間違った本人が悪いんです。だから、上級生の教え方も悪いかもしれないけれど、間違えた本人が何が何でも全部教えてもらうんじゃなくて自分たちで考えることをして、自分たちでちゃんと行動をできるようになってほしい」
涙声「同期を代表して話をするんですけど、さっき組長さんが仰ったように改善していくチャンスだから、そのために今日集まっていると思っていたんですね。私たちは同期・・・
今回の件に関しては、同期の子が亡くなってしまったので、皆さんの気持ちよりもう少し重いとは思うんですけど、今日集まった時のあまりにもその・・・温度差が違うというか・・私はすごくショックで。すごい悲しくて、
もっと真剣に捉えてないのかなって、正直思っちゃったんですね。
まあ信用なんですけど、もう少しお互いが気持ちを考えることができたら、先ほど仰っていたことは防げるんじゃないかなって思ったので。今日のその集まる前の雰囲気に
私は本当にびっくりして、それがちょっと悲しかった
ってことを言いたかっただけで・・」
やっぱり一番辛い時とか、本当に気持ちがどうにもできなくなった時に、自分で声を上げることもできないこともあるから。一番一緒にいる仲間たちが気づいてあげるとか、コミュニケーションが少なくなっているので。
それこそ本当はどう考えているとか、元気そうに見えても本当はそうじゃないかもしれないし。そういったことに、
みんなが気づけるような心で取り組むことが大事なのかなと思っていて。隣にいる同期がどういう状況か分からなかったりすることも、きっとあるかもしれないし、きっと誰にでも気づけないこともあるかもしれない。
すぐ隣にいる人たちや、目に入った子たちの思いを聞いてあげるのもそうですし、気づいてあげられるように、上級生としてはそういう風に見たいなと。
(出典 i.imgur.com)
Aさんは亡くなっていなかった
2年も前の火傷を当事者たちが否定しているのに
イジメと断定した記事を書いた
その時にA さんが受けた心の傷が致命傷だった文春は自分たちの責任を回避するために宙組生が
イジメたからだと責任を転化している
そもそも宙組生のイジメの証拠は一切開示していない
Aさんは2月の記事がなければあと2~3年後には卒業して一般人になっていたと思われる
現役時代でも社会的に無名どころか宝塚ファンの中でも知っている人は限られていた彼女を被害者に仕立てMさんを貶める記事を出すことに社会的正義があるか
あるはずがない
【宝塚歌劇団公式HP】[2023.10.01付]———–※ニュースリリースをコソッと削除
●宝塚歌劇団に関する報道について
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「昨日、宝塚歌劇員の死亡に関する報道がございました」
宝塚「死亡に関する報道」リリースこっそり削除も…
拭えぬ“他人事感”にファン困惑
{10/25(水) 9:06配信}
https://news.yahoo.co.jp/articles/d1845133e181b4a44528bfc0fb824d2a3855eac2
[2023.10.05付]
宝塚歌劇団 理事長より
ttps://kageki.hankyu.co.jp/news/20231002_4.html
[2023.10.12付]
ファンの皆様ならびに関係者の皆様へ
ttps://kageki.hankyu.co.jp/news/20231012_4.html
[2023.10.19付]
SNS等での誹謗中傷について
ttps://kageki.hankyu.co.jp/news/20231019_4.html
[2023.10.20付]
今後の宝塚大劇場公演ならびに『タカラヅカスペシャル2023』について
ttps://kageki.hankyu.co.jp/news/20231020_4.html
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