民法第百九十五条 (動物の占有による権利の取得)

民法第百九十五条 (動物の占有による権利の取得)

第百九十五条 家畜以外の動物で他人が飼育していたものを占有する者は、その占有の開始の時に善意であり、かつ、その動物が飼主の占有を離れた時から一箇月以内に飼主から回復の請求を受けなかったときは、その動物について行使する権利を取得する。

民法第195条解説:家畜以外の動物の即時取得

条文の意味

民法第195条は、家畜以外の動物占有した場合、一定の条件下でその動物に対する権利取得できるという規定です。
具体的に言うと、他人が飼っていた猫や犬などを拾った場合、特定の条件を満たせば、その動物の飼い主になることができるということです。

条文の目的

この条文の目的は、動物の取り扱いに関する実情を考慮し、動物の福祉社会生活の円滑化を図ることです。

  • 動物の福祉: 飼い主のいない動物を保護し、新しい飼い主のもとで幸せに暮らせるようにすることを目的としています。
  • 社会生活: 拾われた動物の帰属を明確にすることで、動物の移動や飼育に関するトラブルを防止し、社会生活を円滑にします。

即時取得の要件

この条文によって権利を取得するためには、以下の全ての要件を満たす必要があります。

  1. 家畜以外の動物: 犬、猫など、家畜以外の動物であること。
  2. 他人の飼育していた動物: 他の人の飼い主のいた動物であること。
  3. 占有開始時の善意: その動物が他の人の飼い主のものであることを知らずに占有を開始したこと。
  4. 1ヶ月以内の回復請求なし: 占有を開始してから1ヶ月以内に、元の飼い主から動物の返還を求められなかったこと。

即時取得の効果

  • 即時取得: 上記の要件を満たせば、その時点で直ちにその動物に対する権利を取得できます。

注意点

  • 家畜: 牛、馬、豚など、家畜については、この条項は適用されません。
  • 1ヶ月の期間: 1ヶ月という期間は、元の飼い主が動物を探している期間として設定されています。
  • 動物の種類: 動物の種類によっては、特別な手続きが必要な場合があります。

まとめ

民法第195条は、迷い猫や迷い犬など、飼い主のいない動物を保護した場合に、一定の条件下でその動物の新しい飼い主になれるという制度です。
この条文は、動物の福祉と社会生活の円滑化に貢献しています。

続きを見る