民法第百八十四条 (指図による占有移転)

民法第百八十四条 (指図による占有移転)

第百八十四条 代理人によって占有をする場合において、本人がその代理人に対して以後第三者のためにその物を占有することを命じ、その第三者がこれを承諾したときは、その第三者は、占有権を取得する。

民法第184条の解説:代理人を通じての占有権移転

条文の意味

民法第184条は、代理人を通じて第三者占有権を移転させる場合について規定しています。

簡単に言うと、AさんがBさんに物を預けていて、AさんがBさんに「この物をCさんに渡して、Cさんが代わりに占有して欲しい」と頼み、Cさんがこれに同意した場合、Cさんがその物の占有権を取得できるということです。

条文の解説

  • 代理人による占有: まず、ある人が(Aさん)が、代理人(Bさん)に物を預けるなどして占有させている状態であることが前提となります。
  • 本人の指示: Aさんが、Bさんに「Cさんに物を渡して、Cさんに占有させて欲しい」と指示します。
  • 第三者の承諾: Cさんが、Aさんの指示に同意します。
  • 占有権の取得: Cさんが、Aさんの指示とCさん自身の同意によって、その物の占有権を取得します。

  • 預かり物の転送: AさんがBさんに大切な品物を預けています。AさんがBさんに、「その品物をCさんに渡して、Cさんに預かってもらいたい」と依頼し、BさんがCにその品物を渡し、Cが預かることに同意した場合、Cがその品物の占有権を取得します。

この条文の意義

  • 占有権の柔軟な移転: この条文により、占有権の移転が、直接当事者間だけでなく、代理人を介して行われることが可能となり、占有権の移転がより柔軟に行えるようになります。
  • 実務との整合性: 物の保管や運送など、実務上頻繁に行われる行為に対応するための規定です。

まとめ

民法第184条は、代理人を通じて占有権を移転させる場合の要件を定めています。
この条文は、占有権の移転に関する幅広いケースに対応できるよう、柔軟な規定となっています。

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