奈良県職員、上司に10ヵ月で100回のパワハラメッセージ送信で懲戒処分

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パワハラ法の有効性と限界:社内報告と現状

パワハラ防止法は、施行から3年が経過し、一定の効果は認められています。
しかし、課題も多く残されています。

■ 法施行の効果

企業の対応強化: 法施行により、企業はパワハラ対策に注力せざるを得なくなりました。
相談窓口の設置、研修の実施、内部調査の仕組み作りなど、具体的な対策が進んでいます。
被害者からの相談件数増加: 相談窓口の設置により、被害者からの相談件数が増加しています。
以前は泣き寝入りせざるを得なかったケースも、表面化しやすくなりました。
加害者への抑止力: 法的な罰則が設けられたことで、加害者にとっての抑止力となっています。

■ 限界と課題

社内解決の限界: あなたのご指摘の通り、社内報告のみでは解決に至らず、泣き寝入りや証拠不足で問題がもみ消されるケースも依然として存在します。
調査・救済体制の不備: 企業によっては、調査が形式的だったり、被害者への十分な救済措置が取られていないケースがあります。
パワハラのグレーゾーン: 具体的な行為がパワハラに該当するかどうか判断が難しいグレーゾーンも多く、立証が困難なケースも少なくありません。
被害者への二次被害: 相談や告発が逆手に取って、職場で不利益な扱いを受ける「二次被害」も依然として問題となっています。

■ 法制度の改善と社会全体の取り組み

行政による監督強化: 厚生労働省は、企業のパワハラ対策状況を調査し、必要な指導や勧告を行うなど、監督を強化しています。
外部機関の活用: 第三者機関による調査やあっせん制度の利用促進など、社内解決の限界を補う仕組みの整備が求められています。
社会全体の意識改革: パワハラは許されない行為であるという認識を社会全体で共有し、加害者だけでなく、傍観者も声を上げる文化を醸成することが重要です。

■ 個人の対応

記録を残す: パワハラの言動を受けた日時、内容、状況などを記録しておきましょう。
録音・録画も有効です。
証拠を集める: 上司や同僚からの目撃証言、メールやSNSのやり取りなど、証拠となるものを集めておきましょう。
相談窓口の活用: 社内の相談窓口だけでなく、外部の相談窓口も活用できます。
一人で抱え込まない: 家族や友人、弁護士などに相談し、周囲の協力を得ましょう。

パワハラ法は完全ではありませんが、被害者にとって重要な武器となり得ます。
法制度の改善と社会全体の取り組みと合わせて、個人が声を上げ、パワハラのない職場環境を実現していくことが重要です。

上司か部下かという関係だけのせいではなく
言いやすい相手や言えてしまう環境というのもあるのでしょう

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