頭のいい子が知っている“論理的な話し方”。

頭のいい子が知っている“論理的な話し方”。

「それってあなたの感想ですよね?」「はい、論破!」

 近年、テレビインフルエンサーの言葉をマネして相手を言い負かそうとする小学生子どもたちが増え、先生や親が手を焼いている――。そんなネット投稿が話題となり、新聞記事やテレビニュースでも取り上げられました。

 しかし、相手を言い負かしたり論破したりして、自分が優位に立とうとするコミュニケーションの姿勢は、実際は相手に嫌な印象を与えるだけで、関係性を悪化させたり人が離れていってしまうリスクもあるといいます。

 子どもが本当に身につけるべき論理的な説明のスキル、相手を説得できる話し方のノウハウとは、どのようなものなのでしょうか?

マンガ 頭のいい子が使う 伝わる!説明力(犬塚壮志 著)

◆自分が優位に立つことがコミュニケーションではない
 累計5万部突破のベストセラー『頭のいい説明は型で決まる』などの著者で知られる犬塚壮志さんは、「コミュニケーションの本質とは、相手と良好な関係性を築き、その関係性を維持・発展させること」だと語ります。

「そのためには、相手を言い負かしたり、論破したりせずともコミュニケーションがとれる伝え方のスキルが必要。

 また、相手から意見を引き出すことにも、相手に反論することにも作法やマナーというものがあります。常に自分が優位に立とうとする伝え方や姿勢は、話し手自身の価値を下げてしまうことになりかねません」

 そこで犬塚さんが編み出したのが、駿台予備学校講師としての経験や、東京大学大学院で学んだ認知科学の知見を駆使した“説明の型”。

 パターンに当てはめて使うだけで、相手に伝わる説明や話し方ができるようになる実践的なノウハウです。

マンガ 頭のいい子が使う 伝わる!説明力』では、社会人がプレゼンや会議の場でも使っているこれらの“説明の型”を、小学生子どもにも伝わるシチュエーションに置き換え、わかりやすくマンガで解説しています。

 ここでは、本書で紹介されている“型”から、子どもが発表授業やディベートですぐに使える3つを紹介しましょう。

◆話の全体像だけを伝える「要約の型」
 伝えたいことの全部を長々と話し続けてしまうような子には、この“型”がおすすめ。

「本当は○○分かかる話を、要点だけをまとめて●●分で話すね」と宣言し、伝えたいことをダイジェストで話す方法です。

 これにより、相手に「○○分なら聞いてみようかな」と思わせて、話の全体像だけを届けることができます。

◆自分に関係のある話だと思わせる「ターゲット明示の型」
 発表授業や全校集会といった大勢の前で、自分の話に関心を持ってもらいたいときに使う“型”です。

ポイントA・B・Cの3つありますが、すべてを知っておく必要はありません。○○な人にはAを、●●人にはBを、△△な人にはCを聞いてもらいたいです」というふうに使います。

 相手のタイプを分類し、それぞれの人に当てはまる部分だけをしっかりと聞いてもらう方法です。

◆先生や親を説得できる「オファーの型」
 先生にお願い事をしたり、親を説得したいときには、この“型”が有効です。

 単にお願い事をアピールするのではなく、「今は○○なのですが、△△したいと思っています」と、「現状の問題点」と「目指すゴール」をていねいに説明することで、相手は受け入れやすくなります。

マンガ 頭のいい子が使う 伝わる!説明力』は、小学生子どもだけでなく、伝え方や説明に苦手意識を持つ中学生以上の学生や社会人にも、また、子どもとうまくコミュニケーションが取れない先生や親御さんにも役に立つ一冊。

 真の対話やコミュニケーションのためには、適切なロジックを身につけるのが大切だということがわかるはずです。

犬塚壮志さん
ワークショップ講師、JUKEN7特別講師、作家。駿台予備学校の化学科講師として延べ1万人以上の生徒を指導し、東大500名以上、医学部2,000人以上の合格者を輩出。東京大学大学院学際情報学府修了後、現在は大手予備校の最前線で活躍するトップ講師のみを集めた大学受験専門塾「ワークショップ」にて「情報I」の授業を開講。また、駿台予備学校出身の売れっ子講師のみで立ち上げたオンライン予備校JUKEN7」にも特別講師として出演中。最新刊は『マンガ 頭のいい子が使う 伝わる!説明力

<文・構成/女子SPA!編集部>

【女子SPA!編集部】大人女性のホンネに向き合う!をモットーに日々奮闘しています。メンバーコチラtwitter:@joshispaInstagram:@joshispa

(出典 news.nicovideo.jp)

頭のいい子が知っている“論理的な話し方”。
発表授業やディベートですぐに使える「3つのパターン」

子どもが相手を言い負かそうとする理由は、大きく分けて2つ考えられます。

1つは、テレビやネットの影響です。
近年、テレビやネットでは、相手を言い負かしたり論破したりするようなコミュニケーションが頻繁に見られるようになっています。
子どもたちは、そうしたコミュニケーションを真似することで、自分が優位に立つことができると誤解してしまうのです。

もう1つは、自信のなさです。子どもたちは、まだ自分の意見や考えをうまく伝えることができなかったり、相手の意見や考えに圧倒されたりすることがあります。
そうしたときに、相手を言い負かそうとすることで、自分の優位性をアピールしようとするのです。

相手を言い負かそうとするコミュニケーションは、相手に嫌な印象を与えるだけで、関係性を悪化させたり人が離れていってしまうリスクがあります。
子どもがそうしたコミュニケーションをとらないようにするには、親や先生が、子どもに正しいコミュニケーションの姿勢を教えることが大切です。

<このニュースへのネットの反応>

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