リニア工事への抵抗が弱まりつつある静岡県知事

静岡県知事の川勝平太氏は、リニア中央新幹線の静岡県内工事に反対しており、その根拠は以下の3点にまとめられます。

大井川流域への環境影響
川勝氏は、リニア工事による大井川の水質悪化や、湧水の減少による地盤沈下などの環境影響が懸念されると主張しています。
JR東海は、これらの環境影響を十分に調査・検証し、対策を講じているとしていますが、川勝氏は、その科学的根拠を示すデータが不十分であると指摘しています。

静岡県への経済的メリットの不十分さ
川勝氏は、リニアの開業による静岡県への経済的メリットは限定的であると主張しています。
JR東海は、リニアの開業により、静岡県の経済規模は約2兆円拡大すると試算していますが、川勝氏は、その試算には過大な見積もりがあると指摘しています。

静岡県民の意思の尊重
川勝氏は、リニア工事は静岡県民の意思を尊重したものではないと主張しています。
リニア工事は、2015年4月に国土交通大臣が工事許可を出したことで、事実上着工が決まりましたが、静岡県民の間で反対の声が多数上がっていました。
川勝氏は、静岡県民の意思を反映した形で、工事の再検討を求めています。

これらの根拠に基づき、川勝氏は、リニア工事の着工を認めないことを繰り返し表明しています。

一方、JR東海は、リニア工事の安全性や経済効果を訴え、早期の着工を求めています。
しかし、川勝氏との意見の隔たりは埋まらず、リニア問題は膠着状態が続いています。