民法第二百五十一条 (共有物の変更)

民法第二百五十一条 (共有物の変更)

第二百五十一条 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。次項において同じ。)を加えることができない。

民法第251条は、共有物に対して変更を加えようとする場合、他の共有者の同意が必要であるという原則を定めています。

簡単に言うと、「共有しているものを勝手に変えたりすることはできず、他の共有者の許可が必要」ということです。

より詳しく解説

  • 共有物: 複数の者が共同で所有している不動産(土地、建物など)や動産(車、絵画など)を指します。
  • 変更: 共有物の形状や効用を大きく変える行為を指します。例えば、共有の建物を増築する、共有の土地に家を建てるなどが該当します。
  • 他の共有者の同意: 共有物に変更を加えるためには、他のすべての共有者の同意が必要となります。

条文のポイント

  • 原則としての同意の必要性: 共有物に変更を加える際には、原則として他の共有者の同意が必要となります。
  • 例外: 共有物の形状や効用の「著しい変更」を伴わない場合は、他の共有者の同意を得なくても変更を加えることができます。
  • 裁判所の関与: 一部の共有者と連絡が取れない場合など、特別な事情がある場合には、裁判所に申し立てることで、変更を認めてもらえる可能性があります。

  • 共有の土地: 共有の土地に家を建てる場合、他の共有者の全員の同意が必要です。
  • 共有の建物: 共有の建物を増築する場合、他の共有者の全員の同意が必要です。
  • 共有の車: 共有の車を改造する場合、他の共有者の同意が必要です。

条文の目的

この条文の目的は、共有関係の安定を図り、他の共有者の権利を保護することです。

注意点

  • 変更の範囲: 「著しい変更」の範囲は、個々のケースによって異なります。
  • 同意の方法: 共有者間の同意は、書面で行うことが望ましいです。
  • 裁判所の関与: 裁判所に申し立てる場合の手続きは、複雑であるため、弁護士に相談することが望ましいです。

まとめ

民法第251条は、共有物に変更を加える際のルールを定めた条文です。
共有物に変更を加えようとする際には、この条文の内容を理解し、他の共有者との間でトラブルにならないように注意することが大切です。

2 共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、当該他の共有者以外の他の共有者の同意を得て共有物に変更を加えることができる旨の裁判をすることができる。

民法第251条第2項は、共有者の所在が不明といった特別な状況下において、裁判所の判断によって共有物に変更を加えることができるという例外規定です。

条文のポイント

  • 共有者の所在不明: 他の共有者の住所や連絡先が分からず、同意を得ることができない場合が想定されます。
  • 裁判所の判断: 裁判所が、他の共有者以外の共有者の同意を条件として、変更を認めるかどうかを判断します。
  • 例外規定: 通常は、すべての共有者の同意が必要ですが、この条項は、特別な事情がある場合にのみ適用される例外的な規定です。

より詳しく解説

  • 他の共有者以外の他の共有者: 簡単に言うと、所在が不明な共有者以外の、残りの共有者という意味です。
  • 変更: 共有物の形状や効用の著しい変更を伴う行為を指します。
  • 裁判所の役割: 裁判所は、各当事者の主張や証拠を検討し、変更を認めるべきかどうかを判断します。

  • 共有不動産の老朽化: 共有の建物が老朽化し、倒壊の危険がある場合、他の共有者の所在が不明でも、残りの共有者の同意を得て、裁判所の許可のもと、建物を解体することができる可能性があります。

この条文の目的は、共有関係が長期にわたって停滞するのを防ぎ共有物の有効利用を促進することです。

注意点

  • 裁判手続き: 裁判手続きは専門的な知識が必要となるため、弁護士に相談することが望ましいです。
  • 他の共有者の権利: 裁判所は、他の共有者の権利を侵害しない範囲内で、変更を認めます。
  • 変更の内容: 変更の内容によっては、他の法令に抵触する場合があります。

まとめ

民法第251条第2項は、共有物の変更に関する例外的な規定です。
他の共有者の所在が不明といった特別な状況下において、裁判所の判断によって、共有物に変更を加えることができる可能性があります。

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