民法第二百二十七条 (相隣者の一人による囲障の設置)

民法第二百二十七条 (相隣者の一人による囲障の設置)

第二百二十七条 相隣者の一人は、第二百二十五条第二項に規定する材料より良好なものを用い、又は同項に規定する高さを増して囲障を設けることができる。ただし、これによって生ずる費用の増加額を負担しなければならない。

民法第227条の解説:囲障の自由な設置

条文の意味

民法第227条は、隣り合った建物の所有者が、法定の囲障(高さ2メートルの板塀や竹垣など)よりも、より良い材料を使ったり、高さを高くしたりして、自由に囲障を設置できることを定めています。ただし、その場合、追加でかかる費用は自分自身で負担しなければならない、という条件付きです。

条文の解説

  • 相隣者の一人:隣接する建物の所有者の一人
  • 第二百二十五条第二項に規定する材料より良好なものを用い:法律で定められている板塀や竹垣よりも、例えば、コンクリートブロックやレンガなど、より丈夫な材料を使う
  • 又は同項に規定する高さを増して:法律で定められている高さ2メートルよりも、もっと高くする
  • 囲障を設けることができる:自由に囲障を設置できる
  • ただし、これによって生ずる費用の増加額を負担しなければならない:より良い材料を使ったり、高さを高くしたりすることで、追加でかかる費用は自分自身で負担しなければならない

条文の目的

この条文の目的は、個人の自由な意思に基づいて、より快適な生活環境を築けるようにすることです。

隣人同士で意見が一致しない場合、法律で定められた最低限の囲障を設置することになりますが、この条文によって、個人のニーズに合わせて、より良い囲障を設置することが可能になります。

具体的な事例

  • プライバシーの徹底的な保護: 道路に面した部分に、防音効果の高いコンクリートブロックの塀を設置したい場合
  • 防犯対策の強化: 高さ3メートルのフェンスを設置して、侵入を防ぎたい場合
  • デザイン性の向上: 庭の景観に合わせて、おしゃれなデザインのフェンスを設置したい場合

注意点

  • 隣人への配慮: より良い囲障を設置する場合でも、隣人の日当たりや風通しを過度に妨げるようなことは避ける必要があります。
  • 自治体の条例: 囲障の高さや材質などには、自治体の条例でさらに細かく定められている場合があります。
  • 費用負担: 追加費用は、原則として自分自身で負担しますが、隣人との合意によっては、費用を分担する場合もあります。

まとめ

民法第227条は、隣人同士で意見が一致しない場合でも、個人の自由な意思に基づいて、より良い囲障を設置できることを認めています。
ただし、その場合、追加費用は自分自身で負担しなければならないという点に注意が必要です。

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