民法第百八十三条 (占有改定)

民法第百八十三条 (占有改定)

第百八十三条 代理人が自己の占有物を以後本人のために占有する意思を表示したときは、本人は、これによって占有権を取得する。

民法第183条の解説:代理占有から本人の占有への移転

条文の意味

民法第183条は、代理占有から本人の占有への移転について規定しています。

簡単に言うと、ある人が代理人としてある物を占有していた場合、その代理人が「これからはこの物を本人のために占有する」という意思表示をすることで、本人がその物の占有権を取得できるということです。

条文の解説

  • 代理占有から本人の占有へ:
    • 代理人が、当初は自分のために物を占有していた場合でも、その後、本人のために占有する意思を表示することで、占有が本人に移転します。
  • 意思表示の重要性:
    • 代理人の意思表示が、占有移転の重要な要素となります。この意思表示は、明確である必要はありませんが、客観的に見て、本人のために占有しようとする意思があったと認められることが必要です。

  • 不動産管理会社: Aさんが、不動産管理会社Bに自分のマンションの管理を委託しています。Bが、Aに対して「このマンションは、今後Aさんのために占有します」と意思表示した場合、マンションの占有権はBからAに移転します。

占有移転の効果

  • 占有権の取得: 本人は、代理人の意思表示によって、その物の占有権を取得します。
  • 占有期間の継承: 本人は、代理人の占有期間を継承することができます。これは、例えば、取得時効の成立に影響を与える場合があります。

まとめ

民法第183条は、代理占有から本人の占有への移転を規定することで、占有権の移転を柔軟に行えるようにしています。
この条文は、特に不動産管理や委託など、代理占有が頻繁に行われる場面で重要な役割を果たします。

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