民法第百三十条 (条件の成就の妨害等)
民法第百三十条 (条件の成就の妨害等)
第百三十条 条件が成就することによって不利益を受ける当事者が故意にその条件の成就を妨げたときは、相手方は、その条件が成就したものとみなすことができる。
条文の意味
民法第130条は、条件付法律行為において、条件の成就によって不利益を受ける当事者が、故意にその条件の成就を妨げた場合、相手方は、その条件が成就したものとみなすことができるという規定です。
つまり、ある条件が満たされた時に契約が解除されるような場合に、その条件が満たされることで不利益を被る人が、わざと条件が満たされないようにした場合、相手方は、条件が満たされたものとして契約を解除できるということです。
なぜこの条文が必要なのか?
- 契約の公平性: 条件付法律行為は、将来の出来事を前提として結ばれるため、一方の当事者が故意に条件の成就を妨げると、契約全体の公平性が損なわれます。
- 権利の保護: 条件成就によって利益を得るべき当事者の権利を保護するために、この条文は必要です。
具体的な例
- 不動産売買契約: AさんがBさんに「来年1月に家が完成したら売る」という条件付きで不動産の売買契約を結んだとします。Aさんが、家が完成する前にわざと工事を遅らせ、契約を解除しようとした場合、Bさんは、家が完成したものとみなして契約を解除することができます。
- 贈与契約: CさんがDさんに「大学に合格したら、100万円を贈る」という条件付きで贈与の約束をしたとします。Cさんが、Dさんが大学に合格しないように妨害した場合、Dさんは、自分が大学に合格したものとみなして、100万円を請求することができます。
条文違反の場合
もし、この条文に違反した場合、相手方から損害賠償請求などを受ける可能性があります。
2 条件が成就することによって利益を受ける当事者が不正にその条件を成就させたときは、相手方は、その条件が成就しなかったものとみなすことができる。
条文の意味
民法第130条第2項は、条件付法律行為において、条件の成就によって利益を受ける当事者が、不正にその条件を成就させた場合、相手方は、その条件が成就しなかったものとみなすことができるという規定です。
つまり、ある条件が満たされた時に契約が有効になるような場合に、その条件が満たされることで利益を得る人が、不正な手段を使ってわざと条件を満たしてしまった場合、相手方は、条件が満たされなかったものとして、その契約が無効であると主張できるということです。
なぜこの条文が必要なのか?
- 契約の公平性: 条件付法律行為は、将来の出来事を前提として結ばれるため、一方の当事者が不正な手段を使って条件を成就させると、契約全体の公平性が損なわれます。
- 権利の保護: 条件成就によって不利益を被るべき当事者の権利を保護するために、この条文は必要です。
具体的な例
- 贈与契約: AさんがBさんに「大学に合格したら、100万円を贈る」という条件付きで贈与の約束をしたとします。Bさんが、不正な手段を使って大学に合格したように見せかけた場合、Aさんは、Bさんが大学に合格したとはみなさず、贈与の義務がないと主張することができます。
- 保険契約: CさんがDさんに、「病気になった場合に保険金が支払われる」という条件付きの保険契約を結んだとします。Cさんが、わざと病気になったように偽装した場合、Dさんは、Cさんが病気になったとはみなさず、保険金を支払う義務がないと主張することができます。
条文違反の場合
もし、この条文に違反した場合、相手方から損害賠償請求などを受ける可能性があります。
まとめ
民法第130条第2項は、条件付法律行為において、一方の当事者が不正な手段を使って条件を成就させることを禁止し、契約の公平性を保つための重要な規定です。