第四節 無効及び取消し 民法第百十九条 (無効な行為の追認)

第四節 無効及び取消し 民法第百十九条 (無効な行為の追認)

第百十九条 無効な行為は、追認によっても、その効力を生じない。ただし、当事者がその行為の無効であることを知って追認をしたときは、新たな行為をしたものとみなす。

条文の意味

民法第119条は、法律行為が無効になった場合、その後に改めて有効にすることは原則としてできないというルールを定めています。

もう少し詳しく説明すると、

  • 無効な行為は追認できない: 一度無効になった法律行為は、たとえ当事者があとから「やっぱり有効にしたい」と思っても、その意思表示(追認)だけでは有効になりません。
  • ただし、無効であることを知って追認した場合: ただし、当事者がその行為が無効であることを知った上で追認した場合には、あたかも最初からその行為をしたかのように扱われます。つまり、無効な行為ではなく、新しい法律行為が成立したことになります。

なぜこのようなルールがあるのか?

このルールがあるのは、法律行為の安定性を確保するためです。

  • 法律関係の確定: 一度無効になった法律行為が、後から何度も有効になったり無効になったりすると、法律関係が不安定になり、社会生活に支障をきたす可能性があります。
  • 悪意の防止: 当事者が、自分の都合に合わせて法律行為の有効・無効を自由に決められると、悪意をもって法律行為を利用する者が現れる恐れがあります。

具体例

例えば、未成年者が高額な品物を購入した場合、その契約は無効になる可能性があります。この場合、未成年者が成年になってから「やっぱりあの契約は有効にしたい」と思っても、単にその意思表示をしただけでは契約は有効になりません。

まとめ

民法第119条は、法律行為の有効性について、厳格なルールを定めています。
この条文は、法律行為が社会生活において安定して機能するために不可欠なものです。

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