民法第九十一条 (任意規定と異なる意思表示)

民法第九十一条 (任意規定と異なる意思表示)

民法第91条の解説:契約自由の原則

民法第91条とは?

民法第91条は、契約自由の原則を規定した条文です。
これは、法律行為の当事者が、法律で定められた内容と異なる内容で契約を結ぶことができる、という原則を表しています。

契約自由の原則とは?

  • 当事者の意思尊重: 法律は、原則として、契約を結ぶ当事者の意思を尊重します。
  • 契約内容の自由: 法律に違反しない限り、当事者は自由に契約の内容を決めることができます。
  • 例外: ただし、公の秩序に関わる部分については、法律の規定が優先されます。

民法第90条との関係

民法第90条が「公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は無効とする」と定めているのに対し、民法第91条は、公の秩序に関わらない部分については、当事者の意思が優先されると定めています。つまり、両条文は、契約の自由と法の秩序とのバランスを保つための規定といえます。

具体例

  • 売買契約: 通常、売買契約では、代金と引き換えに物が渡されますが、当事者間で異なる条件(例えば、代金を分割で支払うなど)を定めることができます。
  • 賃貸借契約: 賃貸借契約では、家賃や敷金などの金額、更新の仕方などを自由に定めることができます。

契約自由の原則の意義

  • 経済活動の活性化: 当事者間の自由な取引を促進し、経済活動を活性化します。
  • 多様な契約形態の出現: 標準的な契約書だけでなく、当事者のニーズに合わせた多様な契約形態が可能になります。

まとめ

民法第91条は、契約自由の原則を定めることで、当事者の自主性を尊重し、多様な契約形態を認めています。
ただし、この原則には限界があり、公の秩序に反する契約は無効となることに注意が必要です。

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