民法第八十七条 (主物及び従物)

民法第八十七条 (主物及び従物)

第八十七条 物の所有者が、その物の常用に供するため、自己の所有に属する他の物をこれに附属させたときは、その附属させた物を従物とする。

民法第87条の解説:従物について

民法第87条とは?

民法第87条は、従物という概念を規定した条文です。この条文は、一つの物(主物)に他の物(従物)が結び付けられる場合に、それらの物の間の法律関係を定めることで、物の所有関係をより明確にすることを目的としています。

従物とは?

この条文によると、従物とは、ある物の常用に供するために、その物の所有者が他の物をこれに附属させた場合、附属させた方を指します。

  • 主物: 従物が附属する、主要な物
  • 従物: 主物に附属し、その使用を補助する物

従物の例

  • 建物と土地: 建物(従物)は、土地(主物)に定着して使用されるため、従物となります。
  • 自動車とタイヤ: タイヤ(従物)は、自動車(主物)を走行させるために使用されるため、従物となります。
  • 本棚と本: 本(従物)は、本棚(主物)に収納され、保管されるため、従物となります。

従物の法的性質

従物は、主物に附属するため、主物の所有権の帰属に従ってその所有権も移転します。つまり、主物を売却した場合、従物も一緒に売却されることになります。

従物の意義

  • 物の一体性: 主物と従物は、一体として扱われることが多いため、物の所有関係を明確にする上で重要な概念です。
  • 所有権の帰属: 従物の所有権は、主物の所有権に付随するため、所有権の移転を簡便に行うことができます。
  • 担保設定: 主物に担保が設定された場合、従物もその担保の対象となることがあります。

まとめ

民法第87条は、物の所有関係をより詳細に規定することで、法律関係の安定化に貢献しています。
従物の概念を理解することは、不動産取引や動産売買など、様々な法律問題を考える上で重要です。

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