民法第十七条第4項の解説

民法第十七条第4項の解説

4 補助人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。

条文の意味

民法第十七条第4項は、補助人の同意または家庭裁判所の許可が必要な法律行為であっても、これらの同意や許可を得ずに実行された場合、その法律行為は取り消すことができるという内容です。

より具体的に言うと、

  • 補助人の同意または家庭裁判所の許可が必要な法律行為を、これらの同意許可を得ずに実行した場合、その法律行為は無効になるわけではなく、有効なまま存在しますが、被補助人その法定代理人などが、一定の期間内に取り消しの訴えを提起することで、その効力を失わせることができるということです。

条文の意図

この条文の意図は、被補助人保護にあります。

  • 補助人の同意または家庭裁判所の許可が必要な法律行為は、被補助人にとって重要な意思決定であることが多いです。
  • そのため、これらの同意や許可を得ずに実行された法律行為については、被補助人その法定代理人などが、状況に応じて法律行為を取り消すことができるという権利を保障することで、被補助人利益を保護することを目的としています。

具体的な事例

例えば、補助人の同意が必要な不動産の売却を、補助人同意を得ずに実行した場合、被補助人は、その売却契約を取り消すことができる可能性があります。

注意点

  • 取り消しの期間: 法律行為を取り消すことができる期間は、民法の他の規定によって定められています。
  • 取り消しの効果: 法律行為が取り消されると、その法律行為は最初から無効であったかのように、その効力を失います。
  • 善意の第三者: 法律行為が取り消された場合でも、善意でその法律行為に基づいて権利を取得した第三者の権利は保護されることがあります。

まとめ

民法第十七条第4項は、補助人の同意または家庭裁判所の許可が必要な法律行為について、これらの同意や許可を得ずに実行された場合、取り消しができるという救済措置を定めています。
この規定は、被補助人利益を保護するために重要な役割を果たしています。

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