民法第七条 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については………

民法第七条 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については………

「第七条 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる。」

この条文は、精神的な病気などで、自分の行為がどのような結果をもたらすか理解できない状態が続いている人(被後見人)に対して、家庭裁判所が後見人を選任し、その人の代わりに法律行為を行えるようにする制度について定めています。

なぜこの条文があるのか?

精神的な病気を抱えているため、自分の判断で日常生活を送ることが困難な人を保護し、その権利や財産を守るためです。
後見人によって、被後見人の生活が安定し、安心して暮らせるようにすることを目的としています。

後見開始の審判とは?

家庭裁判所が、ある人が後見を受ける必要があると判断し、その人に後見人を付ける決定を下すことをいいます。

誰が後見開始を請求できるのか?

  • 本人
  • 配偶者
  • 四親等内の親族
  • 未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人
  • 検察官

これらの者が、家庭裁判所に後見開始の申立てを行うことができます。

後見人とは?

後見人は、家庭裁判所によって選任された人で、被後見人の代わりに法律行為を行い、その人身と財産を保護する役割を担います。

後見開始の審判の手続き

  1. 申立て: 上記の者が、家庭裁判所に後見開始の申立てを行います。
  2. 審理: 家庭裁判所は、申立ての内容を審査し、必要に応じて医師の診断書などを求め、審理を行います。
  3. 審判: 家庭裁判所は、審理の結果に基づいて、後見開始の審判をするか否かを決定します。
  4. 後見人の選任: 後見開始の審判がなされると、家庭裁判所は、適切な後見人を選任します。

まとめ

民法第7条は、精神的な病気などで判断能力が不十分な人を保護するための制度、つまり後見制度の根拠となる条文です。
この制度によって、被後見人は、安心して暮らすことができるようになる一方で、後見人となる人は、被後見人のために責任を持って行動することが求められます。

続きを見る