神戸市内で販売されていたミネラルウォーターから発がん性物質PFASが検出
神戸市内で販売されていたミネラルウォーターから発がん性物質PFASが検出
PFASとは?
PFASは、ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物の略称で、約1万種類以上存在する有機フッ素化合物の総称です。
特徴
- 強力な化学結合である炭素-フッ素結合を持つため、分解されにくく環境中に長期間残留します。
- 耐熱性、耐薬品性、撥水性、電気絶縁性に優れているため、様々な製品に利用されています。
主な用途
- 撥水剤・防水剤:衣類、靴、家具、カーペットなど
- 消火剤:泡消火剤
- コーティング剤:フライパン、鍋、食品包装材など
- 半導体製造装置
- 化粧品
- 医薬品
PFASが出る理由
PFASは、主に以下の2つの理由で環境中に排出されています。
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PFASを含む製品の製造・使用・廃棄
- 製造過程で発生するPFASを含む廃水や廃棄物
- 製品からのPFASの揮発や溶出
- 廃棄された製品の焼却
-
PFASを含む消火剤の使用
- 火災の消火活動でPFASを含む消火剤が使用されると、燃焼によってPFASが大気中に放出され、雨とともに地上に降り注ぎます。
PFASの危険性
PFASは、人体や環境に様々な悪影響を与えることが近年明らかになってきました。
人体への影響
- 発がん性:動物実験で発がん性が認められたPFASがあり、ヒトへの発がん性も懸念されています。
- 生殖毒性:動物実験で生殖機能に悪影響を与えるPFASがあることがわかっています。
- 甲状腺機能障害:PFASが甲状腺ホルモンの働きを阻害し、甲状腺機能低下症を引き起こす可能性があります。
- 免疫機能低下:PFASが免疫機能を低下させる可能性があることが示唆されています。
- 学習障害・発達障害:PFASが胎児・乳幼児の脳神経系に悪影響を与え、学習障害や発達障害を引き起こす可能性があることが研究で指摘されています。
環境への影響
- 土壌汚染・水質汚染:PFASは土壌や水に蓄積し、生物濃縮作用によって食物連鎖を通して高濃度になり、野生動物に悪影響を与える可能性があります。
- 生態系への影響:PFASが生物の繁殖や成長を阻害する可能性があります。
今後の課題
PFASによる人体や環境への影響が懸念される中、各国で規制が強化されています。
- 製造・使用規制:一部のPFASの製造・使用が禁止されています。
- 排出基準の設定:PFASの排出基準が設けられています。
- 水質基準の設定:PFASの水質基準が設けられています。
- 代替品の開発:PFASの代替となる物質の開発が進められています。
しかし、PFASは環境中に長期間残留するため、規制や対策には時間がかかります。