SNS上で炎上の東京藝大「大吉原展」に、中止要求の声が相次ぐ

SNS上で炎上の東京藝大「大吉原展」に、中止要求の声が相次ぐ

東京・上野にある東京藝術大学大学美術館で、江戸にあった遊郭「吉原」の文化や芸術を紹介する展覧会「大吉原展 江戸アメイヂング」(主催:東京藝大・東京新聞テレビ朝日)が3月に開幕する。

ところが、大吉原展の公式サイトが2月1日に更新されて「エンタメ大好き」「イケてる人は吉原にいた」といったコピーや展示内容が明らかになってくると、SNSでは批判の声が上がりはじめた。

その多くは「女性の人身売買や性暴力がおこなわれていた歴史に触れられていない」「エンタメ遊園地のように扱って吉原を美化している」というもの。

脳科学者の茂木健一郎さんまSNS上で「企画の大幅変更か『中止』が不可避だと思います」と投稿するなど、波紋が広がっている。

⚫️「美術館が吉原になる!」

プレスリリースでは、この企画展の開催趣旨を次のように説明している。

「約250年もの長きに渡り続いた幕府公認の遊廓・江戸の吉原は、他の遊廓とは一線を画す、公界としての格式と伝統を備えた場所でした。武士であっても刀を預けるしきたりを持ち、洗練された教養や鍛え抜かれた芸事で客をもてなし、夜桜や俄など季節ごとに町をあげて催事を行いました」

「江戸吉原は、常に文化発信の中心地でもあったのです。3月にだけ桜を植えるなど、贅沢に非日常が演出され仕掛けられた虚構の世界だったからこそ、多くの江戸庶民に親しまれ、地方から江戸に来た人たちが吉原見物に訪れました」

「本展では、今や失われた吉原遊廓における江戸の文化と芸術について、ワズワース・アテネウム美術館や大英博物館からの里帰り作品を含む国内外の名品の数々で、歴史的に検証し、その全貌に迫ります」

また、ポップピンク色を基調とする公式サイトでは、「美術館が吉原になる!」「お江戸吉原はイベント三昧」「ファッションの最先端 吉原は江戸カルチャーの発信地!!」といったキャッチーなコピーが躍っている。

1万8000円の「VIPチケット」を購入すると、3月25日に開かれるイベント「お大尽ナイト」に参加して「花魁道中」を観覧できるという。

⚫️「国立大学の付属美術館で…」

これに対して、SNSでは「女性たちが何をさせられていたか、ぼやかされている」「吉原は女性が人身売買されていた場で、ポップに扱うのはどうなのか」「国立大学の付属美術館という社会的に信頼性のある施設が女性の人権の歴史に対し虚偽を拡散するなら明らかに社会的害悪になる」など、批判が殺到している。

脳科学者の茂木さんも、自身の公式YouTubeで、この企画展を次のように批判した。

押し出し方があまりに時代から外れている。こんなの出してきていいの、という驚きがあります。途方にくれる。関わっている組織やメディアは複数にわたるが、リリースされたものをみて誰もこれまずいんじゃないのと言わなかったのがびっくり。日本の最大のリスクの一つだと思う」

⚫️主催者側「人権侵害・女性虐待、許されない制度」

「大吉原展」の広報担当者は、弁護士ドットコムニュースの取材に対して、次のように回答した。

「本展の開催について、さまざまなご意見をいただいていることから、展覧会の主催者よりご説明申し上げます。本展のテーマである『吉原』という場所は、江戸時代に幕府公認のもとで作られました。

この空間はそもそも芸能の空間でしたが、売買春が行われていたことは事実です。同時に、徹底した非日常の空間演出をはじめ、廓言葉の創造、書や和歌俳諧、着物や諸道具の工芸、書籍の出版、日本舞踊、音曲、生け花や茶の湯など、文化の集積地でもありました。

その結果、多くの文化人が集い、膨大な絵画や浮世絵、書籍などを生み出す場となりました。本展は、今まで『日本文化』として位置づけられてこなかった『吉原』が生み出した文化を、美術作品を通じて再検証し、江戸文化の記憶として改めて紹介する趣旨で開催を決定いたしました。

しかしながら一方で、上述しましたように、本展がテーマとする、花魁を中心とした遊廓『吉原』は、前借金の返済にしばられ、自由意志でやめることのできない遊女たちが支えたものであり、これは人権侵害・女性虐待にほかならず、許されない制度です。本展では、決して繰り返してはならない女性差別の負の歴史をふまえて展示してまいります」

東京藝大「大吉原展」がSNS炎上「人身売買の歴史をエンタメ化」中止求める声も…主催者「負の歴史ふまえ展示」

(出典 news.nicovideo.jp)

東京藝大「大吉原展」がSNS炎上「人身売買の歴史をエンタメ化」中止求める声も…主催者「負の歴史ふまえ展示」

大吉原は、江戸時代から昭和33年まで存在した、日本最大級の遊郭です。
長い歴史の中で、華やかな文化と同時に、女性たちの苦しみや差別、社会問題など多くの負の歴史も存在しました。

1. 華やかな文化と繁栄

大吉原は、江戸時代初期に開設され、遊郭として栄えました。
豪華な建物や美しい遊女たち、独特の文化は多くの文人や芸術家を魅了し、浮世絵や文学作品にも数多く描かれました。
また、歌舞伎や浄瑠璃など演劇の題材にもなり、江戸文化の中心地の一つとして大きな影響力を持っていました。

2. 女性たちの苦しみと差別

しかし、華やかな表舞台とは裏腹に、遊郭で働く女性たちは、人身売買や前借金制度によって自由を奪われ、厳しい生活を強いられていました。
病気や怪我、暴力などの危険にも常に晒されており、尊厳を損なわれることも少なくありませんでした。

3. 社会問題と遊郭廃止

明治時代以降、遊郭は国家の管理下に置かれ、公娼制度によって女性の健康管理や性病対策などが行われました。
しかし、女性の権利意識の高まりや社会情勢の変化により、遊郭の存在は次第に批判されるようになりました。

1956年、売春防止法が施行され、大吉原を含むすべての遊郭は廃止されました。
その後、遊郭制度は歴史に幕を閉じました。

4. 負の歴史をどう捉えるか

大吉原は、華やかな文化と同時に、女性たちの苦しみや差別など多くの負の歴史を残しました。
現代社会において、これらの負の歴史をどのように捉えるのかは、非常に重要な課題です。

単純に「悪いもの」として過去を断罪するのではなく、歴史的背景や社会情勢を理解し、女性差別や人身売買などの問題を考えるきっかけとして捉えることが重要です。

5. 大吉原の歴史を学ぶ意義

大吉原の歴史を知ることは、女性の権利や人権問題を考える上で、重要な意味を持っています。
過去の負の歴史から学び、現代社会における差別や人権侵害をなくしていくために、私たち一人一人が意識を持つことが大切です。

6. 大吉原に関する資料

大吉原に関する資料は、東京都立中央図書館や江戸東京博物館などに展示されています。
また、吉原遊郭に関する書籍や研究論文も多数出版されています。

これらの資料を参考にすることで、大吉原の歴史についてより深く理解することができます。

7. まとめ

大吉原は、華やかな文化と同時に、女性たちの苦しみや差別など多くの負の歴史を残しました。
現代社会において、これらの負の歴史をどのように捉えるのか、そしてどのように活かしていくのかは、私たち一人一人が考えていく必要がある課題です。

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