民法第百二十九条 (条件の成否未定の間における権利の処分等)

民法第百二十九条 (条件の成否未定の間における権利の処分等)

第百二十九条 条件の成否が未定である間における当事者の権利義務は、一般の規定に従い、処分し、相続し、若しくは保存し、又はそのために担保を供することができる。

条文の意味

民法第129条は、条件付法律行為において、条件がまだ確定していない間は、その法律行為によって将来得られるであろう権利義務を、一般の規定に従って自由に処分したり、相続させたり、保存したり、あるいは担保に供することができると定めています。

もう少し詳しく説明すると、例えば、「Aさんが大学に合格したら、Bさんから100万円もらえる」という契約があったとします。この場合、Aさんがまだ大学に合格していない間でも、Aさんは「100万円をもらう権利」を第三者に譲渡したり、相続人に残したり、その権利を担保にローンを組んだりすることができる、ということです。

なぜこの条文が必要なのか?

  • 権利の自由な利用: 条件が成就する前に、その権利を自由に利用できるようにすることで、経済活動の活性化に貢献します。
  • 法律関係の確定: 条件付の権利についても、一般的な財産権と同様に扱えることによって、法律関係を明確にし、紛争を予防します。

条文のポイント

  • 一般の規定に従う: これは、条件付の権利であっても、他の財産権と同様に扱われることを意味します。例えば、不動産の売買契約であれば、不動産登記法などの関連法規も適用されます。
  • 処分: 譲渡、放棄、交換など、権利を自由に処分することを指します。
  • 相続: 相続の対象となることを意味します。
  • 保存: 登記、時効取得など、権利を守るための行為を指します。
  • 担保: 債務の担保として提供することを指します。

  • 不動産売買契約: AさんがBさんに「来年1月に家が完成したら売る」という条件付きで不動産の売買契約を結んだとします。この場合、Bさんは、家が完成するまでの間、その不動産の売買契約に基づく権利を第三者に譲渡することができます。
  • 贈与契約: CさんがDさんに「大学に合格したら、100万円を贈る」という条件付きで贈与の約束をしたとします。この場合、Dさんは、大学に合格する前に、その100万円をもらう権利を相続人に残すことができます。

まとめ

民法第129条は、条件付法律行為における権利義務の扱いについて、非常に重要な規定です。
この条文があるおかげで、条件が成就する前に、その権利を自由に利用することができるため、経済活動が円滑に進められます。

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