予想を上回る賃上げでも、実質賃金マイナス続く…

予想を上回る賃上げでも、実質賃金マイナス続く…

近年は賃上げが行われていても、物価上昇の影響で実質賃金が追い付いていない状況が続いていますね。
統計で見ると、やっと20年前の水準に追いついた程度で、30年近く下がり続けてきた賃金が、数パーセントの上げ幅で元の水準に戻るというのは難しいですよね。

この状況には、いくつかの要因が考えられます。

1. 長期的な経済停滞とデフレ
1990年代後半から続く日本経済の長期的な停滞とデフレは、企業収益の悪化を招き、賃金上昇を抑制する要因となりました。

2. 労働生産性の低迷
日本の労働生産性は、近年ほとんど向上しておらず、企業にとって賃上げを行うインセンティブが乏しい状況です。

3. 非正規雇用の増加
非正規雇用労働者の割合は近年増加しており、正規雇用労働者に比べて賃金水準が低いため、平均的な実質賃金の低下に繋がっています。

4. 物価上昇
近年はエネルギー価格や食料価格などの上昇により、物価が急速に上昇しています。
これは、家計の負担を増加させ、実質賃金の減少をさらに悪化させています。

政府は、この問題に対処するため、様々な政策を打ち出しています。

1. 2%物価目標
日銀は、2%の物価目標を掲げ、金融政策を通じて物価上昇を促進しようとしています。

2. 働き方改革
長時間労働の是正や、正規・非正規雇用の格差是正など、労働市場の改革を進めています。

3. 最低賃金の引き上げ
地域ごとに最低賃金の引き上げが行われており、今後さらに引き上げが検討されています。

しかし、これらの政策の効果はまだ十分に出ておらず、実質賃金の低下を止めるには至っていないのが現状です。

今後は、企業による積極的な賃上げ、労働生産性の向上、さらには政府による大胆な経済政策改革などが求められます。

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